前回、アスノバ株式会社のシンガポールを含めたアジア進出について紹介しましたが、今回は人材・消費市場としてのシンガポールの特性について紹介していきます。

 アスノバは、日本の専門学校への留学希望者を集める海外イベントから事業をスタートさせたことから、中国本土・香港・台湾・シンガポール・ベトナムで大学などの教育機関や学生との強いパイプを持っています。この関係を活かして、日本企業のアジア法人における採用をサポートする事業も展開していたこともあり、アスノバの創業者である有田さん自ら前出の国々で、それぞれ1000人以上の学生たちをこれまで面談してきました。

 そこでわかったのが、香港の方がシンガポールよりも、ベンチャービジネスに適した人材が多いということです。

シンガポール人はハングリー精神に欠ける!?

 1つの要因として、香港にはアジアの大学ランキングでは常に上位に入るような大学が7つほどありますがシンガポールには2つ(ランキングによっては3つ)しかがなく、高等教育を受けた人材の数で見劣りすることがあげられます。

 また、気質の面でも、子供のころは中国本土で育って大学、もしくは社会人になってから移住してきた人材の比率が高い香港の方が、シンガポールと比較してハングリー精神にあふれる人材が多いようです。

 シンガポールで高等教育を受けた人材の多くがいわゆる学校秀才タイプで、変化が激しい市場を主体的に開拓していくことを求める企業サイドのニーズと合致しないことが多いという意見も興味深く思いました。シンガポールに移住してくる外国人の若手起業家は数多くいますが、現地から成功するスタートアップがあまり出てきていない背景にも、このシンガポール人のハングリー精神に欠けるマインドセットがあるのかもしれません。

 もちろん、シンガポールにもビジネスに適した人材は多くいますが、シンガポール以外の国々からの留学生が、そうした人材のかなりの割合を占めているようです。アスノバは中国本土での売上が最も大きいため、香港に本社を置いていますが、シンガポールには東南アジア事業を統括する本部を近々設立する予定です。

 アスノバ自体もシンガポールでの採用を拡大していくようですが、東南アジア各国から留学してきている人材をシンガポールで採用し、一定の経験を積ませた上で、彼らの母国の事業立ち上げをともに行うことで、必要となるローカル市場へのカスタマイズを行いながら、最速で東南アジア全域での事業立ち上げを行っていきたいと有田さんは考えています。

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