AKB48篠田麻里子を8年間見てきたスタイリストのしのぶさんが、ラジオ番組で裏話を披露した。しのぶさんは衣装担当だけでなくメンバーの相談相手でもあり、彼女たちと共に笑い悩んできた仲間だ。そのしのぶさんが、ふと篠田が口にした言葉に感動したことがあり、今でも研究生に話すことがあるという。

AKB48の前田亜美は、最後に篠田麻里子と共演した福岡ヤフオクドームでのことを「上からマリコのとき号泣していたら、まりこ様が笑顔で手を大きく開いておいで!ってやってくれて抱きしめてくれて、さらに泣きました…」と『前田亜美オフィシャルブログ』で明かしている。

彼女は篠田に相談したり、励まされたことを思い出すと「ストイックだし陰で努力をしていて辛い顔は見せない。本当にプロ意識が高い先輩でした」と振り返っていた。前田亜美だけではない、多くのメンバーがブログで篠田から気づかってもらったことに感謝していた。

だが、AKB48のメンバーも知ることのない篠田麻里子の素顔をスタッフたちは見ているようだ。

篠田は多くのファンやメンバーに惜しまれつつ7月22日に卒業公演を終えたが、その3日前の7月19日にラジオ番組『AKB48のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)の生放送で高橋みなみらと共演している。途中からスペシャルゲストとして登場したのが、スタイリストのしのぶさんだった。

高橋が篠田について「体が丈夫できつくても音を上げない」という印象を語ると、しのぶさんは「実はすごく体が弱いのよね。でもすごく管理している」というのだ。篠田も「以前は3回公演の途中で倒れて点滴を打ったりしてた」、「よく焼肉に連れて行かれて『レバーを食え』と言われた」とひ弱だったことを認めている。

ある日、しのぶさんが握手会を休まない篠田に「体が弱いけど、休まないよね?」と声をかけたことがある。すると篠田は「私はAKBというのはテレビのアイドルではないから、握手会とかサプライズとかでファンから人気が出てきたので、そういうイベントは休めない」と自分なりの信念を語ったのだ。

それに感動したしのぶさんは、「今でもあの言葉は大事にしていて、研究生とかにも『先輩はこう思って頑張ってきた』と聞かせることがある」と話していた。直接、篠田に会うことは少なくても、多くの後輩が彼女の信念を受け継いでいるようだ。

また、しのぶさんは篠田のセンター曲『上からマリコ』での衣装について、ファッションが好きな篠田のためにできるだけのことはやろうと気合いが入ったことを明かしている。衣装は篠田もしのぶさんやスタッフと時間をかけて打ち合わせしており、篠田は「○○ちゃんはなで肩だからこういうデザインで」というように、個々にあわせてアイデアを出したのだ。

高橋みなみは「AKBの衣装にメンバーがアイデアを出すようになったのは、あれからだよね」と証言している。それまでは、メンバーのアイデアが衣装に反映される流れがなかったようである。

篠田は7月22日でAKB48の活動を終えた。しかしAKBが握手会やイベントを大切にせねばならないという思いから、彼女が残した言葉は伝え続けられるだろう。また篠田はメンバーが自分の衣装にアイデアを出せる環境と共に、それくらい関心を持つ姿勢も残してくれたのだ。

他にも、メンバーの誕生会を企画するなどAKB48のムードメーカーとして篠田麻里子が果たした役割は大きい。彼女がやってきたことには引き継ぐべきところも多そうである。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)