エヴァの知識比べに格闘ごっこ……街コンで増殖する「ボク見て男子」の対処法

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“恋バナ収集ユニット”桃山商事が、これまで見聞きしてきた恋愛エピソードをもとに、男女のすれ違いや細かな男性心理についてご紹介していく当連載。今回のテーマは、「街コンにおける男子の生態」に関するお話です。

出会いの場としてすっかり市民権を得た感のある街コン。最近では地域活性のコンテンツや企業広告のツールとしても活用され、関西大大学院の宮本勝浩教授の試算によれば年間で1,431億円の経済効果を生み出すなど、一大レジャー産業に成長しています。

女子にとっては3〜4,000円台で様々な出会いを楽しめるイベントとあって、気軽な気持ちで参加する人も増えているようです。恋が生まれる確率は定かではありませんが、先日、私の妹(27歳/保育士)が街コンをきっかけに彼氏を見つけたそうです。おめでとうございます\(^o^)/

そんな私事はさておき……。今や駅前の飲食店を舞台にしたオーソドックスな街コンにとどまらず、夜の空港を貸し切って行う「夜空(そら)コン」や、ヴィジュアル系ファンが集う「池袋V系コン」など、様々な形態の街コンが登場。特定のテーマを設けたり、イベントとコラボしたり、趣味や属性でセグメントしたり……出会いの確率を上げる仕掛けもいろいろと進化し、参加者にとって多様なキャラや趣味を活かせる場づくりが進んでいる模様です。

しかし、それに伴って会場で女子をシラけさせる困った男子が増殖してしまったとか。それが、知識や個性の披露にとらわれるあまり、女子不在の不毛なパワーゲームを繰り広げる「ボク見て男子」です。

「エヴァンゲリオンのファンが集う街コンで、知識比べを始めた男子たちにドン引き。“俺の方がエヴァに詳しい合戦”とか、女子からしたらどうでもよすぎる(笑)」(31歳/看護師)

「運動会をテーマにした街コンに参加したら、いきなり格闘ごっこを始めた男子がいて引いた。中学生男子を見ているようで恥ずかしかった」(26歳/派遣社員)

などなど、女子からの目撃談も多数報告されています。このように、もはや街コンの目的を見失い、謎の自己アピール合戦に突っ走る男子が後を絶たないようです。なぜ、彼らはそのような行動に走ってしまうのでしょうか?

■「ボクを見て欲しい」のに、男同士の戦いに“逃げる”ワケ

女子にドン引きされている「ボク見て男子」ですが、彼らの目的はあくまで女子からモテることにあります。男同士の競争に勝ったり、会場で目立ったりすることで自分が優秀なオスであること証明し、まわりが「あの人スゴい!」ってなって、結果として女子からモテる……。これが、彼らの基本的な発想です。

しかも、「女子は男同士が競い合っている姿を見るのが好き」と彼らは信じ込んでおり、自分たちの戦いを女子が温かく見守っていると勘違いしています。だから「ボク見て男子」は、戦いに勝てば女子からの視線を独り占めできると考えているのです。残念ですね\(^o^)/

これだけなら「男子ってバカだけどカワイイ」ということにもなるかもしれませんが、さらにここには、もうひとつの姑息な心理が働いています。それは、「コミュニケーションからの逃避」です。

「ボク見て男子」というのは、女子からモテるために近くではしゃぐわけですが、決して女子と一対一で向き合おうとはしません。合理的に考えれば、もしも女子に見て欲しいなら、具体的な相手と面と向かってコミュニケーションを取り、自分の魅力を直接アピールした方がいいはずなのに、それをしません。

なぜなら、怖いからです。直接アプローチをかけてしまうと、よくも悪くも、結果が明確に出てしまいます。彼らにとって、女子から具体的に拒絶されることが一番怖い。だから、面と向かってコミュニケーションすることを避け、知識比べや格闘ごっこといった男同士の戦いに“逃げる”わけです。

女子と向き合わなくて済むし、仮に男に負けたとしても、女子から具体的に拒絶されるよりは全然マシ。最終的に誰からもモテなかったとしても、男同士で傷をなめ合い、“バカな俺ら”に酔いしれることができる……。

つまり、「ボクを見て!」という行動の裏には、「ボクを見て欲しいけど、女子と直接向き合うのは怖いから男同士の戦いに走り、その姿を見てもらうことで結果的に女子からモテたりしねえなあ」という、極めて姑息な心理が働いていたわけです。

「現場で素敵だなと感じるのは、一緒に盛り上がったり、女子も楽しめるように気を配ってくれる男子ですね。女子が求めているのは、目立つ人ではなく、コミュニケーションできる人だと思う。『ボクを見て!』と思うなら、まずは相手のことを見ましょうって感じですよね(笑)」(31歳/大学職員)

という声もあったように、「ボク見て男子」は結局モテずに終わってしまうことがほとんどの模様。まあ、男子としては反面教師にするしかありませんが……彼らは基本的に気の弱い善人なので、女子的には優しく声をかけてあげるのも手かもしれません。意外な穴場物件の可能性もありますし(笑)。

【プロフィール】
清田隆之
恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。失恋ホスト、恋のお悩み相談、傷心旅行のツアーガイド、合コンの企画から恋愛コラムの執筆まで、何でも手がける恋愛の総合商社。男女のすれ違いを考える恋バナポッドキャスト『二軍ラジオ』も更新中!
Twitter:@momoyama_radio
HP:桃山商事