社会人であれば読んでおくべき、″厳選″ビジネス書11冊

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出版不況といわれる昨今でも、相変わらず売れているジャンルといえば、ビジネス書。
書店に足を運ぶ度に続々と新刊が登場し、書棚の中身や平積みコーナーに置かれる本は、めまぐるしく変化しています。これも読まなきゃ、あれも読まなきゃとプレッシャーを感じる人もいるのでは。

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■ビジネス書を読んでもデキる人になれないワケ

そんな人にまず読んでほしいのが、ビジネス書を2000年代から振り返り、振り回される人の姿、カラクリ、適切な付き合い方など、ビジネス書を巡る過去〜現状について書かれた、『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』です。

ビジネス書の「読み手」「書き手」「売り手」の三者の視点から描かれた、ビジネス書研究本であり、安易にビジネス書を読む人へ警鐘を鳴らす良質な1冊でもあります。

デキる人になるためにビジネス書を読むんだよ……と疑問に思う方もいるでしょう。しかし、著者の漆原直行氏は前提として、専門領域に必要な「ビジネス実務書や専門書」と自己啓発や成功哲学を語る「ビジネスパーソンのための生き方解説本」は、「ビジネス書」という大きなカテゴリ内に含まれる本であっても、まったくの別物と考えるべきだと主張します。

特に自己啓発本や成功哲学本の類には、お約束のストーリーが用意されています。冊数を多く読んでいる人は特に「これ、どこかで読んだ展開では?」と気づくはず。『人を動かす』『7つの習慣』などの定番自己啓発タイトルにおける、おなじみの展開を利用し、それっぽく書かれていることが多いのです。

多くは「仕事術+ロジカルシンキング+自己啓発」といった、どのテーマも中途半端な内容でまとめられた「定番自己啓発タイトルの劣化再生版」。自己啓発について知識をつけたいときには、定番自己啓発本を読んでおくだけで十分です。定番モノを頭に入れておくことで、劣化本に惑わされず、読むべきビジネス書を吟味する審美眼を養うことにもつながります。

自己啓発本や成功哲学本は、「信者ビジネス」や「コンプレックスビジネス」と似た側面を持っています。「これを読めば今の自分はもっと改善される」と信じて、日常抱える不安感から、つい何冊も手に取ってしまうという流れができています。不安を煽り、仕掛けに上手く踊らされるのはもうやめましょう。

では、どのようなビジネス書を読めばよいのでしょうか。「入門書や実務書など、自分が仕事で携わる領域に関する、勉強のための本は読んでおいた方がよいでしょう。その分野のバイブルのような本、定番として長く読み継がれてきた本、仕事のできる先輩が薦めてくれた本を、1冊1冊丁寧に読んでいくのが、読書から得る効果を最大限に高めると思います」(漆原氏)

■ビジネス書ウォッチャー・漆原氏が選ぶ、読むべきビジネス書11選

そんな漆原氏に、社会人であれば読んでおきたい、定番ビジネス書を11冊選定していただきました。

「定番化しすぎている、必読の書を厳選しました。しかし、入門書というような体で紹介されることも多いわりに、どれもそれなりに難しい本たちです。とりあえず入手して、じっくり時間をかけて読み下していくのがいいかも知れません。トイレやベッドサイドに積んでおき、思い付いたときにパラパラと目を通してみるのもオススメです」。

1、『思考は現実化する』(ナポレオン・ヒル)

500人もの成功者にインタビューし、彼らに共通する考え方ややり方、いわゆる成功哲学を、体系的にまとめた自己啓発本の大定番です。

「目標を明確にしなさい。それを紙に書き出しなさい」「具体的にビジョンを掲げて計画をし……」というように、自己啓発本でおなじみの事柄が綴られています。

2、『人を動かす』(デール・カーネギー)

後の自己啓発本や成功本に多大な影響を与えた1冊です。人と接する際の基本原則をベースに、自分が重要視され、評価されていることを、相手に感じさせるようなスキルを説いています。

忠実に実践できれば人間関係で苦労することはなくなるような、ポジティブシンキングな本です。

3、『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)

現代自己啓発書界における「教典」のような存在。アメリカ建国から約200年の間に刊行された、成功に関する文献をすべて調査し、成果をもとに執筆された本です。

成功の条件として「誠意、謙虚、誠実、勇気、正義、忍耐:などが挙げられ、本当の意味での成功とは人格主義だとまとめています。

4、『道をひらく』(松下幸之助)

1代で旧松下グループ(現在はパナソニック)を築き上げた経営者・松下幸之助氏の代表作。

日本人として生きて、働くということに関して、普遍的な内容が綴られており、時折読み返したくなる良書です。

5、『経営学』(小倉昌男)

著者は元ヤマト運輸社長。クロネコヤマトの宅急便を始めるにあたり、いかに闘ったかといったことが綴られています。

とにかく謙虚で、勉強家。でも、闘うときは徹底して闘う。素晴らしい経営者像が描かれています。

6、『ザ・ゴール/ザ・ゴール2』(エリヤフ・ゴールドラット)

全体最適化、制約条件の理論(制約理論)といった生産性などに関する理論を扱っていますが、とある工場を舞台にした小説仕立てなので、それなりに読みやすいです。

トヨタ生産方式もビジネスシーンではよく話題になりますが、同書の制約理論もぜひ押さえておきたい考え方です。

7、『考える技術・書く技術』(バーバラ・ミント)

論理的思考を背景に、説得力のある文章を書くための手法をまとめたもの。

難易度が高いので、まずエッセンスを理解して実践するには、同書の訳者である山崎康司氏の書いた『入門 考える技術・書く技術』を読んでおくのが正解かも知れません。

8、『ビジョナリー・カンパニー/ビジョナリー・カンパニー2』
(ジム・コリンズ)

時代を超えて続く優良企業の事例を紹介し、さらに分析を加えた本。

1作目ではそのような企業に共通する特徴を解説し、2作目ではよくある企業が超優良企業へと変化していく過程を分析しています。

ちなみに3作目では、優良企業がつまらない会社に凋落していく流れが解説されていますが、まずは1〜2作目を読んでおくとよいでしょう。

9、『企業参謀』(大前研一)

1975年刊行なので、内容的に古いところもありますが、合理的な戦略思考の初歩を知るには、現在でも十分に使えます。

著者は当時、マッキンゼーの日本支社長。最近目立っている「マッキンゼー出身者本」の源流としての捉え方もできる本です。

10、『プロフェッショナルの条件』
(ピーター・F・ドラッカー)

ドラッカーというと『マネジメント』の印象が強いですが、1冊選べと言われたら、これをオススメしたいです。

ドラッカー本としては比較的自己啓発寄りのため、読みやすいです。11の著作・論文から論点を抽出して、著者が再構成したものなので、本書をとっかかりとして他の著作へ手を出すのにも適しています。

11、『アイデアのつくり方』(ジェームス・ W・ヤング)

同人誌のように薄い本ですが、アイデアづくりのバイブルとして読み継がれてきたタイトルです。

企画系に限らず、どのような職域や業種でもアイデアを捻り出し、形にしていくスキルは求められますから、読んでおきたいですね。

「ここにご紹介した本たちは、働く大人の教養としても、それっぽいビジネストークのためのネタ元としても、とりあえず目を通しておいて損はないものばかり」と漆原氏。今後もしばらくビジネス書ブームは続いていくでしょう。

その中から現在の自分に真に必要なもの、良質なものを選ぶ抜く眼力を持ち、ビジネス書と上手に付き合っていきたいものです。

【プロフィール】
漆原直行氏
1972年、東京都生まれ。編集者、記者、ビジネス書ウォッチャー。大学在学中からライター業を開始。トレンド誌や若手サラリーマン向け週刊誌などで取材・執筆活動を展開。ビジネス誌やIT誌、サッカー誌の編集部、ウェブ制作会社などを経て、さまざまな媒体の企画・編集・取材・執筆に携わる。ビジネスからサブカルまで幅広い関心領域を武器に、現在はフリーランスの立場で雑誌やウェブ媒体の制作に従事。著書に『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』『ネットじゃできない情報収集術』などがある。

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