葬儀業界で飛び交う隠語「社長はただいま、山に行っております」=?

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葬儀では、遺族や関係者の気持ちに配慮して、直接的な言い回しは避けられるもの。そんな中、葬儀屋は、さまざまな隠語を使って式を切り盛りしているようです。今回は、葬儀屋に聞いた「葬儀業の隠語」を紹介します。

・下げ
ご遺体を病院から搬送すること。例えば、葬儀屋で、「下げが入りました」「了解。どこ?」という会話は、「お亡くなりの一報が入りました」「了解。どこの病院ですか?」という意味になります。

・エンバー
薬品などを使ってご遺体に防腐防止・感染防御、ダメージ修復などの処置を施すこと。エンバーミング(embalming)の略。

語源はem(濃い)+balm(香油)で、エジプトのミイラ作りに香油を使ったことに由来するとか。

・一番・四番・十四番
一番は一般、四番は四(し)で親族を表し、十四番は十四(どうし=道志)としてお坊さんを意味します。「四番さん、あちらにご案内お願いします」など、大きな葬儀場での弔問客案内時などに使われます。

・「40〜45分、おまかせで」
「お坊さんの読経が40〜45分で、お焼香のタイミングは自由におまかせします」という意味なのだそう。

・山に行く
火葬場に行くこと。業者から電話が入り、「社長はただいま、山に行っております」などと使うそう。ちなみに、都内の火葬場の多くは、地形的には谷にあるそうですが、昔の火葬場は山にあることが多かったため、「山に行く」という表現になったようです。

・1・3・5
霊柩車で速さを伝えるときの用語。1は「ゆっくり」、3は「普通」、5は「急いで」という意味。火葬場に着く時間を合わせるため、「5でお願いします」などと、運転手に頼むそう。

・半出し(はんだし)
通常は10時から11時など、区切りのよい時間に葬儀をしますが、火葬場までの道中が長いときなどに、葬儀を30分前倒しにすること。

・びき・びき前・びき明け
びき=友引のこと。「友を引き寄せて冥土に一緒に連れて行ってしまう」という迷信があり、葬儀を行わないことが多く、火葬場も休みになるところがあります。葬儀屋の仕事も少なくなるため、休みを取りやすい日。一方の「びき明け」=友引の翌日は、火葬場が込み合う日。

・ろくにいご
最も一般的な棺の大きさ。6.25尺のため、このように呼ばれています。

・棺一(かんいち)
ご遺体を棺に納めてすぐに火葬し、お別れすることをいいます。

いかがでしたか? 記者も祖父の葬儀の際に、葬儀屋が電話でいろいろ手配してくれているのを聞いて、何を言っているのか、さっぱりわからなかった経験があります。悲しみに暮れているときにそんな余裕はないかもしれませんが、葬儀業界の隠語を知っていると、段取りや流れがわかって便利かもしれません。

(桃山くるみ/サイドランチ)