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朝の憂鬱な通勤ラッシュを解消するには、乗る側が時間をずらすか、鉄道会社が電車の本数を増やすしかありません。そこで都心を運行する多くの鉄道各社が現在進めているのが『複々線化』計画です。

■『複々線化』とは?

複々線とは、上下二本ずつ線路のある路線のことです。「単線」は上り、下りで同じ線路を利用する路線で、都心や周辺エリアでは西武豊島線など数えるほどしかありません。「複線」は上り、下り一本ずつ計二本の線路を利用する路線、「複々線」は複線のさらに倍、上り、下り二本ずつ、計四本の線路を利用する路線になります。

単線の場合上りが行ってから下りを出して、と構造的な条件から電車本数は少なめになります。一方複線になれば本数は増やせるものの、現在の都心部の過密ダイヤでは複線でも追いつかなくなってきています。山手線のように電車全てが各駅停車ならば等間隔に電車を走らせればいいものの、鉄道会社では輸送効率向上のため快速や特急電車なども走らせています。これらの調整をするため待合わせ時間を取らなくてはならないケースもあり、特に、各駅停車しか止まらない駅にそのしわ寄せが行く傾向にあります。

■複々線で、小田急線・向ヶ丘遊園〜新宿間の所要時間が大幅短縮?

複々線化が進めば普通電車と快速電車で路線を分けることができ、電車の効率的な増発が可能になるほか、待ち合わせ時間の短縮も期待できます。

例えば、小田急線では朝のラッシュ時における向ヶ丘遊園駅から新宿駅間が複々線化の前には各駅停車で約40分、急行では約33分かかっていましたが、世田谷代田駅から和泉多摩川駅間の複々線化工事が完了した現在では各駅停車で約36分、急行では約25分と特に急行において大きな改善が見られました。こちら現在は東北沢駅から世田谷代田駅で2017年運転開始予定で複々線化の工事が進められています。複々線化が完了すれば各駅停車で約34分、急行で約21分まで短縮される予定です。

西武池袋線でも桜台駅から練馬高野台駅までの複々線化工事はすでに終了し、現在練馬高野台駅から大泉学園駅までの複々線工事が進行中で、来年2014年度完成予定です。京王線でも笹塚駅から仙川駅までの複々線化が進んでおり2022年度完成予定です。

各駅停車のみ停車する駅、快速も止まる駅、どちらに住んでいる人でも時間短縮化につながる複々線化。小田急線では複々線化によりそれまで最大208%だった混雑率を、新聞や雑誌も読める160%台にしていく計画です。通勤は毎日のことですので、新居を検討している方は、改善取り組みの進む駅・路線を候補にしてみてはどうでしょうか。

文・石徹白未亜