[其ノ一 株テクニカル編]今期の業績予想を見るとガンホーは決して高くない
日本株の大幅調整からの見直し買いで注目されるのが今期業績予想、そして?新しいPER〞だ!


人気中小型ファンドが買う新興不動産株、ノンバンク株が◎

3月決算企業の今期の業績予想が出そろい、徐々に業績相場入りとなってきました。特に5月中旬以降の日本株が大荒れとなる中、業績面の強い企業に対する関心が高まっています。昨年末からのアベノミクス相場では、円高是正などに伴う業績改善期待で上昇が続いてきましたが、「今後は業績の実態に注目する局面となる」という74ページの岡村さんと同じ見解です。

今回の決算発表を通過して注目したいのが、PERです。PER面の割安感を材料視したバリュー株投資は2005〜2007年に注目されましたが、最近はやや廃れ気味でした。リーマン・ショック以降、企業収益が急減速となり、株価低迷も続く中で、PER自体が機能不全に陥っていたからです。でもここに来て、期待先行で急上昇した株価が割安か・割高かの判断が必要になっています。

今は企業収益が急速に改善する中、業績計画をもとにした「予想PER」が注目ポイント。決算発表後、今期の予想PERをきっかけに明暗を分けたのが自動車セクターと不動産セクターです。世界の自動車市場の拡大や円安進行などを追い風に、トヨタ自動車や富士重工業、マツダなどの営業利益は大きく伸びる見通しで、それに伴い、今期の予想PERは各社とも15倍程度に急低下しました。自動車株は好パフォーマンスが続いていますが、PERから判断すれば、東証1部全体のPER(約20倍)と比較しても割安です。

一方、不動産セクターのPERは、三菱地所が約60倍、三井不動産が約40倍と、非常に割高となっています。新興市場の急成長企業ならPER50倍なども許容できるでしょうが、大手不動産株の業績はそこまで伸びません。日銀の金融緩和による恩恵に対する期待はあっても、業績面を見る限り、期待を織り込みすぎてしまった感があります。

株価が今期の業績を織り込む過程で、前期の実績PERが急低下し、今期の予想PERに割安感が残る、下表のような銘柄に注目です。年始以降、バイオ関連株を中心に、グロース株(成長株)が相場の主役となっていましたが、その間に、グロース株は割高な水準で買われていました。今後はより割安なバリュー株に出遅れ修正の動きが期待できそうです。





※株価は2013年6月10日現在。今期予想営業利益のカッコ内は前期比、予想PERのカッコ内は東マ=東証マザーズ、JQ=ジャスダック。

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小川佳紀(YOSHINORI OGAWA)
フィスコ 株式アナリスト

岡三証券を経て現職。相場概況から注目株まで、日本株全般から本誌に合ったネタを拾ってくれる貴重な存在。



この記事は「WEBネットマネー2013年8月号」に掲載されたものです。