[其ノ一 株ランキング編]円安メリット株のイメージと現実
アベクロ相場の主役・円安メリット株。しかし、人々が「円安で株が上がる」とイメージして売買する銘柄と現実に上がる株には違いがあった!?


ファナックは円安だけで株価は動かない!?

アベノミクスがもたらした最大の経済効果といえば円安。そこで今回は東証33業種のうち、円安によるメリットが大きな「機械」「電気機器」「輸送用機器」「精密機器」の4大輸出セクターに注目してみます。円安が急速に進んだ4〜5月にかけての売買代金、そして為替に反応してどれだけ株価が動いたかという2つの観点からランキングを作成しました。

すると、「円安メリットがありそうだと思われている株」と「実際に円安で上がる株」の間に大きなギャップがあることが明らかになりました。下の図の「為替感応度」は、為替(ドル/円レート)が1円動くと株価がどれだけ動くか、直近36カ月の数値を指標化したものです。

「売買代金ランキング」を見ると、円安で人気化する銘柄には、トヨタ自動車を筆頭にソニー、キヤノン、ファナックなど国際優良株が並んでいます。しかし、いかにも円安メリットを受けそうなファナックの為替感応度が1以下と、円安と株価の相関性が薄いことがわかります。

3位のソニーも円安になると業績がアップするイメージがまだまだ根強いですが、実はドル/円レートの変動が業績に与える影響はフラット。東芝や日産自動車のように白物家電や小型車を海外で製造して日本に逆輸入している場合、円安は逆効果の面もあり、株価の為替感応度も低くなりがちです。

対して「為替感応度ランキング」は、円安で実際に株価がビビッドに反応した銘柄群。マツダや半導体の新光電気工業、印刷機の小森コーポレーションが上位にランクインしています。

マツダを除くと比較的地味な半導体や機械関連株が多いですが、本当に円安に乗って株で儲けたいのであれば、なこうした銘柄をグイグイ円安が進みそうな時期に短期スパンで狙うのもアリでしょう。





※ データ対象期間は2013年4月5日〜5月13日。輸出企業は東証33業種うちの「機械」「電気機器」「輸送用機器」「精密機器」からピックアップ。売買代金ランキングは松井証券におけるランキング。データ提供:松井証券

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窪田朋一郎(TOMOICHIRO KUBOTA)
松井証券 シニアマーケットアナリスト

2001年、松井証券に入社。マーケティング部を経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウオッチし続け、個人投資家の動向にも詳しい。



この記事は「WEBネットマネー2013年8月号」に掲載されたものです。