投資家なら誰もが手にしたいのがIPO(新規上場)株。もちろん公募株を手に入れることができれば、大幅な株価上昇が期待できるが、だからといって公開価格で入手できなくとも、投資妙味は十分ある。上場後の株価上昇、通称“セカンダリー”を狙う手法を、投資情報サイト「東京IPO」編集長・西堀敬氏が解説する。

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 IPO投資の戦略として「公開価格買いの初値売り」が鉄則とはいえ、あくまで運次第。「来るか来ないかわからない幸運」を待たなくても、着実に利益を得られる可能性が高い手法はある。

 たとえば、直近のIPO銘柄のなかで、今後数年のうちにも、東証1部に鞍替えが期待される銘柄には、株価の大化け期待が高まる。過去の例をみても、右肩上がりで株価が上昇した大出世銘柄は、上場して2〜3年のうちに東証1部に鞍替えし、そのことを背景に株価が大きく上昇している。

 例を挙げると、2000年12月にジャスダック市場に上場したカジュアル衣料の製造・販売を手掛けるポイントの場合は、IPOの3年3か月後に東証1部に昇格。それをきっかけとして、株価は急上昇した。最近の例では、モバイルゲームが主力の「エイチーム」が挙げられる。昨年4月に東証マザーズ市場に上場後、半年余りで東証1部に鞍替えし、株価上昇に一段と弾みをつけたことは記憶に新しい。

 こうした値動きとなる背景には、東証1部に上場すると外国人投資家や機関投資家などの買いが入りやすくなるという事情がある。どんなに業績のよい銘柄でも、新興市場の銘柄はなかなか外国人投資家などの投資対象となりにくい。それが東証1部に鞍替えした途端、外国人買いが入り始め、機関投資家も投資信託のポートフォリオに組み入れるために買い始めるのだ。

 問題は、どんな銘柄に鞍替え期待が大きいのか。やはり東証2部の銘柄が一番の狙い目といえそうだ。東証2部のIPO銘柄は、上場する際の利益基準が東証1部上場基準をすでに満たしているので、1部への鞍替えのハードルが低いからだ。

 昨年以降に上場したIPO銘柄の中でも、業績の伸びや、初値騰落率の低さなどを吟味して、今後の鞍替え期待の高い東証2部として、三洋貿易(3176)、アジュバンコスメジャパン(4929)、チムニー(3178)、アサンテ(6073)、ファルテック(7215)などに、私は注目している。銘柄選びの参考にしていただきたい。

※マネーポスト2013年夏号