写真は、3点目のネットを揺らした工藤壮人。代表初ゴールを挙げた。 (撮影:CSPA/フォート・キシモト)

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【一時はリードしながら引き分けに終わってしまった中国戦。勝てなかったのは選手起用に要因がある】

東アジア杯初戦の中国戦は、2点のリード守りきれず3−3のドローに終わった。練習2日間の即席チームにしては、よくやったと言える。

「所属クラブと指導は違う。代表のやり方を学んで欲しい」。そう語る指揮官は、初日のトレーニングでいくつかの約束事を選手たちに伝えた。

「攻撃時、センターバックはワイドに開き、サイドバックを押し出す形にする。ボランチは1人下がって3バックなれ」。この指示を守り、山口螢や青山敏弘は最終ラインでビルドアップに参加した。

「攻めは必ず(前線の4人とサイドバックの)5人で攻めろ」「ボールを奪ったら、そこから速く攻める」。この指示は、柿谷曜一朗の逆転ゴールと工藤壮人の3点目に結びついた。勝利こそ逃したものの攻撃の形はできていたのだ。

では、なぜ勝ち切れなかったのか。原因は指揮官の采配と選手起用にある。まず駒野友一。イージーミスも多く、試合にフィットしていなかった。そして高橋秀人。中国が55分に178センチのFWを投入したため、ザッケローニ監督は172センチの青山に代えて183センチの高橋を起用した。しかし高橋は攻勢に出てきた相手をブロックする強さを見せることができなかった。

この駒野と高橋の2人は、前日練習を1時間で切り上げ別メニュー調整だった。意図は理解できても思惑通りにならない采配。その原因は指揮官が机上の空論に陥っているからかもしれない。

■東アジア杯/初戦/2013年7月21日
日本 3−3 中国
(会場:韓国・ソウル)