参議院選挙について連日大きく報道されているが、新聞・テレビにとってこうした国政選挙は大のかき入れ時だ。政党や候補者の選挙広告やCM、投票を呼びかける選挙公報まで巨額の広告費が税金からつぎ込まれるからだ。新聞・テレビが必死に奪い合うのが、政党・候補者の選挙広告費だ。

 公職選挙法では、選挙期間中、候補者は公選ハガキの郵送代やポスターの印刷代、看板制作費から選挙カーのレンタル料、ガソリン代などの他に、早朝や深夜にテレビで放映される政見放送と、新聞に5回(1回紙面2段、幅9.6センチ)まで広告を掲載できる。これらは「選挙公営」と呼ばれ、全額税金で負担される。

 新聞広告掲載料の基準は1回分で50万〜220万円と社によって差があるが、どの新聞に広告を掲載するかは政党本部や候補者(無所属の場合)が決めるため、各社は資料を制作して政党や候補者に売り込みを掛けるのである。

「政党本部には代理店を通じて営業するが、無所属候補はどの新聞に広告を出すか本人が決める。そのため各社の担当者は公示日のうちに立候補を届け出た無所属候補に直接売り込みを掛ける」(選挙コンサルタント)

 今回の参院選の選挙公営の予算総額は前回参院選より2割多い約66億円で、新聞広告費だけで約23億円の予算が組まれている。

 また、選挙公営とは別に、総務省(選挙管理委員会)が「投票に行こう」と呼びかける選挙広報の広告予算が約4億5000万円ある。

 さらに政党が独自に出す新聞広告やCMがある。各党の政治資金収支報告書によると、前回の参院選(2010年)の年には、宣伝事業費や選挙宣伝費として民主党が約48億円、自民党は約21億円を使った。

 今回は政権に復帰した自民党と民主党の選挙宣伝費が逆転している可能性が高いが、前回に近い金額が使われていると見られる。政党独自の宣伝費といっても、その原資は政党交付金であり、やはり税金なのだ。

 もちろん、広告を出すのは自民党や民主党だけではない。公明党、社民党なども広告費を投入するため、そうした新聞広告やテレビCMなど選挙宣伝費の総額は100億円近くにのぼり、しかも、その大半は公示日以降の17日間の選挙戦期間中に集中的に使われる。選挙は大メディアにとって、アベノミクスの比ではない大特需なのだ。

※週刊ポスト2013年8月2日号