男女平等を目指すには、女性の社会進出は必須であると言われ、そのための施策に異を唱えるのは時代遅れなこと。女性を労働力として活用できる社会は、経済にとってもプラスであると信じられている。そのために急激な施策を政府は求めているが、はたしてそれは本当に平等な内容なのか。

「全上場企業において、積極的に役員・管理職に女性を登用していただきたい」「指導的地位に占める女性の割合を、2020年までに、30%にしたい」

 安倍首相は去る4月、アベノミクス成長戦略の一環として米倉弘昌・経団連会長にこのように要請し、「女性が輝く日本」をつくるように求めた。企業側もこの方針に呼応して、積極的な女性管理職登用策を打ち出している。

 たとえばイオンでは、現状約7%の女性管理職を、2016年までに30%、2020年までに50%にすると具体的な数値目標を示した。大塚製薬も、2032年までに女性役員を50%登用するという。

 もともと女性社員比率が低い製造業でも、現在の2〜5倍の女性管理職登用を宣言している。

●日立製作所:2020年までに現在の2.5倍の8%へ
●TOTO:現在の4.6%を2017年までに10%へ
●日産自動車:現在6.7%を2016年度までに10%へ

 このうち女性管理職50%をうちだしたイオンでは、正社員の全従業員数が約7万3000人で、そのうち女性は約2万8000人。女性社員の割合は38%だ。比率からいうと女性管理職が50%というのはやや高い気がするが……。イオン・コーポレートコミュニケーション部の担当者が説明する。

「弊社の男女社員比率は、入社時には男女半々ですが、年次が上がるにつれて女性比率が下がっていく。1日に2〜3時間だけ働く育児勤務制度を導入するなど女性支援制度を充実させてきたが、それでもまだ女性が働きやすい環境が整ってはいないのかもしれません。数値目標を立てたのはそれを改善するためです。最終的には、男女関係なく能力主義で評価する企業を目指したい」

※週刊ポスト2013年7月19・26日号