日本列島各地が連日猛暑に見舞われているが、韓国南部の都市、大邱(テグ)では1日の最高気温が35℃以上の状態が2日以上続くと予想される際に発令される暴炎特報が6日連続で出され、13日午後になってようやく解除された。

 韓国で暑さを吹き飛ばしてくれる夏の食べ物と言えば「パッピンス」がある。パッピンスは日本のかき氷に似た食べ物だが、さまざまなフルーツやソフトクリーム、シリアルなどがトッピングされ、1人では食べきれないほどの量であることが一般的で、数人で1つのパッピンスを一緒に食べる。

 またかき氷と異なる点は大きなスプーンでよく混ぜてから食べることだ。まるでビビンバを食べるかのように徹底的に混ぜる。1つ1つの具材の味を楽しむのではなく、一気に混ぜてすべてがミックスされた状態の味を楽しむのだ。おかげで色鮮やかな見た目はすっかり消え、食べるときには跡形もない。

 韓国では夏の風物詩として親しまれているパッピンスだが、最近ではパッピンスの価格が高騰しており、食事代よりも高くつくとして消費者から不満の声が挙がっている。

 ソウル市内のカフェで9800ウォン(約885円)のパッピンスを友人と一緒に食べていた20歳の女性は、「デザート代が食事代より高いなんてありえない。材料費だってそんなに高いとは思えないのに、稼ぎ時だからといってぼったくっているに違いない」と不満げな表情で語った。

 韓国メディアによれば、一部パッピンス店の関係者は「パッピンスの価格高騰は国産の材料を使っているため」と説明しているが、専門店を除き、ほとんどが材料費を節約しようと中国産の材料を使用しているのが現状で、原価に比べて価格が高すぎるという指摘もある。

 韓国メディアによれば、あずき200グラム、氷500グラム、フルーツ100グラム、チーズ100グラムなどが使われた1万2000ウォン(同1080円)のパッピンスの場合、原価が売価の20%にも満たないおよそ2000ウォン(同180円)程度だという。(編集担当:斉藤優花)