アスノバ株式会社の有田一喜・代表取締役

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ここまで2回にわたって株式会社ユーザベースのシンガポール進出について紹介しましたが、今回は教育事業を手掛けるベンチャーであるアスノバ株式会社のシンガポールを含めたアジア進出について紹介します。

日本の専門学校への留学生を募るビジネス

 アスノバの創業者である有田一喜さん(32歳)は、新卒でゴールドマン・サックスに入社後、「事業会社のビジネス現場を若い時期により深く知る機会が持ちたい」とリクルートに転職。投資銀行から事業会社に転職する事例は私(岡村)の周囲であまり聞かない珍しいパターンです。

 リクルートでは営業を担当し、「この時に培った胆力が起業してから最も役立ったスキル」(有田さん)。3年目に目標としていた営業でトップの成績をおさめ、かねてからやりたかった教育という分野で、2008年にアスノバを起業しました。

 両親が教師であったこともあり、教育にかかわるような事業をという漠然としたイメージを持っていたものの具体的な事業内容にできなかった時分、たまたま知り合った台湾人との縁で、日本の専門学校を複数集めて現地で留学生を募るイベントを開催することになります。

 2009年の始めから準備を進め、イベントを開催する2カ月前のタイミングで、上記の台湾の知り合いの結婚式が開催されることもあり、有田さんと同様ゴールドマン・サックス出身で創業当初からアスノバに関わっている松場執行役員(32歳)と、事前確認も兼ねて台湾を訪問することにしました。

 すると、押さえていた会場は駅から遠く不便なうえに、学校のロビーのような場所で狭く、到底イベントを開催できる場所ではないことが判明。急遽都内のTOP大学の留学生インターンを確保し、ちらしなどの告知ツールの作成から現地宣伝、会場の手配まですべて自分たちでやりました。

 イベントは2カ月という短い準備期間にもかかわらず、300名以上の参加者を集めることに成功し、出展した大学・専門学校の満足度も大変高かったそうです。

 この時の経験で、「海外事業展開、特にベンチャー企業のそれはハプニングがよくあるが、本気になればなんとかなるものだという自信を持つことができた」と有田さんは話しています。台湾での日本の専門学校による留学イベントはその後も継続して開催し、年々参加者は増加しているそうです。

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