<全英オープン 事前情報◇16日◇ミュアフィールド(7,192ヤード・パー71)>
 142回目となる今年の全英オープンの舞台となるのは、スコットランド南東部にあるミュアフィールド。その正式名称は、ザ・オナラブル・カンパニー・オブ・エジンバラ・ゴルファーズといい、ゴルフクラブという組織体としては世界最古となるリンクスコースだ。
タイガー・ウッズ、4度目の全英制覇へ向けて新ドライバーをテスト
 設計はトム・モリス・シニア。コースレイアウトはOUTが赤い屋根が特徴のクラブハウスから外周を描くように時計回りで進むのに対し、INはその内側を反時計回りに進むようにデザインされている。そのため、風向きは海から一定ながら、ゴルファーは毎ホール微妙に違う方向から吹いてくる風を読んで攻略することを求められる。コースは年々改造が加えられ、前回ミュアフィールドで開催された02年大会(アーニー・エルスが優勝)からは158ヤード伸長されている。
 だが、全英オープンを開催するような他のイギリスの伝統的なリンクスコースに比べて、コースはフラットで、ティショットの落としどころが見えないブラインドホールも少ない。深いラフやブッシュはリンクスのイメージそのものだが、フェアウェイのアンジュレーションも少なく、ナイスショットが必ずしも好結果にならない他のリンクスに比べるとフェアな設定となっているとも言えそうだ。ちなみにミュアフィールドで行われた全英オープンのベストスコアは109回大会で青木功が記録した“63”となっている。
 このミュアフィールドの特徴は、コースよりもむしろその厳格なクラブポリシーにある。いまだに女性のメンバーを受け入れない単一性のクラブ(メンバーが女性ビジターを連れてくる場合はプレーできる)であることに加え、ここでは多くの事柄が伝統に沿って厳しく管理されている。
 例えば、プレーのスタート時間も朝の7時から16時までを厳守。それは、メジャー大会の練習ラウンドであっても変わることはなく、今大会の月曜日に早朝練習ラウンドがルーティーンのタイガー・ウッズが6時40分にスタートしようとしたところ、ティショットを打つ寸前にコースの関係者に止められて20分待機させられたという出来事もあった。
 これには“閉ざされた名門”などと海外メディアから批判もあったが、世界ランクナンバー1のウッズであっても、クラブのルールを曲げることは許されない。それが、世界最古のゴルフクラブとしての誇りでもある。
 “一日に四季がある”とも言われるスコットランドらしからぬ好天に恵まれているコースは日に日にフェアウェイ、グリーンが硬く締まりメジャータイトルを争うにふさわしいコンディションに仕上がった。フェアウェイに落ちたボールのコロがりはトップ選手でも予測は難しく、ウッズは575ヤードのパー5である17番で「ティショット、セカンド共に3番アイアンで打ってグリーンをオーバーした」と目を丸くした。
 1892年の初開催から今年で16度目の全英オープン開催となるミュアフィールド。品格とコンディションを維持したまま、世界最古のメジャーの幕開けを待っている。
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