「江ノ島」 1999 年 (C)Eiichiro SAKATA

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週刊誌「AERA(アエラ)」の表紙などで活躍中の写真家、坂田栄一郎氏の写真展「坂田栄一郎―江ノ島」が2013年7月13日から9月29日まで、東京都品川区の原美術館で開かれている。16年にわたって真夏の江ノ島を撮り続けてきた静物写真を中心に40点が展示されている。

江ノ島に集まる若者が放つ輝き

東洋のマイアミビーチと呼ばれる江ノ島には夏の到来とともに若者が集まってくる。坂田氏はそこで、日常の生活では決して見られない衝撃的な光景を感じた。砂浜に無造作に敷かれたタオルやビニールシート、その上に無造作に置かれた持ち物。写真は持ち主の人物像や存在感を浮かび上がらせる。展覧会は「鮮烈な色」の印象が強く、「坂田の色彩感覚」が強烈に出ている。

ビーチで出会った人を青い空をバックに撮影している。モノと人のコントラスト。坂田氏は撮影をしながら、「人間とはいかなる存在なのか」という素朴な疑問まで湧いたという。「失われた20年といわれた時代ですが、江ノ島で会った若い人は、金はないが精いっぱい自己表現しようとしている人たちだった。砂に置かれた持ち物にそれを見たのです」と坂田氏は言う。江ノ島に集まる若者が放つ輝きが日本の文化を作り、江ノ島が人々を引き寄せて止まないパワーなのだと感じる。その時の流れを写したのが展覧会の作品だ。