10年で216%?切手に投資してたらもうかってたって本当?

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ここ10年で成長した市場として「高級収集品」があるそうです。高級収集品とは、美術品、クラシックカー、切手、コインなどを指します。例えば、切手では216%の投資効果があったというのですが、果たして本当なのでしょうか?


高級収集品としての「切手」について、日章スタンプ商会の社長、清田英夫さんにお話を伺いました。

■中国切手ではそれ以上の相場もあった!

――「ここ10年の投資先で切手は有望であった、投資効率は216%」という話があるのですが、これは本当のことでしょうか? 切手はそれほど値上がりしたのでしょうか。

清田社長 日本切手の場合、それは昭和40年代の話ではないでしょうか。中国切手の場合は、1984年以前に発行された切手ならそれ以上の相場でしょう。

――なるほど。中国切手では、それ以上の値上がりなんですか。それでも購入してくれる中国人がいるということだと思いますが……。

清田社長 中国の経済開放政策でここ十数年値上がり傾向でした。しかし、最近の上海株式が下がり傾向でこの先は読めませんね。

――どのくらいの規模で値上がりしていたのですか?

清田社長 中国切手は1949年から1984年までのもの、その一部の切手が人気が高いです。

例えば、

●1972年に上野動物園にパンダが来ましたが、1973年1月15日発行の「パンダ切手6種」というものがあります。
発行当初:400円前後の販売
10年前の相場:20,000円
現在は8,000円(中国市場買い取り相場)

●1980年発行の「赤猿」という切手があります。
発行当初:50円前後の販売
10年前の相場:10,000円
現在の相場:120,000円(中国市場買い取り相場)

このような相場価格ですね。

――パンダ切手6種は現在でも20倍、赤猿は2,400倍ですね!

清田社長 上がる品があれば、下がる品があります。どれくらいの規模で値段が上がるかはいろいろです。下がるものも多くありますよ。

――これらの高値傾向は続くのでしょうか?

清田社長 これからも需要が上がるのであれば、値も上がるでしょう。ただし、「1985年以降に発行されたものに投資する」と考えた場合、やけどすると思います。これからは「ババ抜き」みたいになると思います。切手価格を商品相場の一種と考えると、プロパガンダ、資金力がものをいう世界です。

■「投資」と考えない方が良い!

――切手収集を趣味とする人で投資目的の人は多いのでしょうか?

清田社長 切手収集の趣味を投資と考えるのは、間違いのもとだと思います。

趣味で集めていた切手がブームになると、需要・供給バランスで「需要」が伸びて、その結果値上がりします。切手などの「趣味品」の価格が高くなるのは、株や土地でもうけた人などが入ってくるからという傾向があります。昭和40年代に日本に起こった切手ブームでは、商品相場の投資顧問が目を付けて、そのために値上がりしたんですよ。

――そういう過去があるんですね。

清田社長 その当時の、ある投資顧問は学生時代切手コレクターでした。この投資顧問の顧客は日本橋の老舗百貨店の社長さんや、世界的に有名な子猫のキャラクターの社長さんだったのです。

――なるほど。すごいお話ですね。
 
清田社長 趣味品は、ブームが始まると値が上がりますが、頂点が過ぎれば値が下がるものです。切手・古銭は寿命長く続いていますが、オレンジカード・テレホンカードは一過性で終わりました。記念コイン・記念切手の発行数は最盛期の5分の1くらいですね。需要が少なくなったので、供給数も激減しています。

■なんと3,000万円以上の国宝級の切手も!

――ここ最近値上がりした切手がありましたら、その具体的な名称と価格を教えていただけないでしょうか。

清田社長 カタログを見る限り、値下がりは多数ありますが、値上がりは少ないですよ(笑)。強いて言うなら明治初頭から戦後の昭和20年代の極美級の記念シートでしょうね。

1896年8月1日発行『日清戦勝4種セット』極美品シート:800万円
1916年11月3日発行『昭和立太子礼10銭』極美品シート:3,000万円
1919年10月3日発行『飛行試行2種セット』極美品シート:3,100万円

――えっ、3,000万円を超えるものもあるんですか!

清田社長 一般的にはほぼ出回っていない国宝級の超貴重品です(笑)。だから値上がりします。出回ってないものは高く、ありふれている品は安いのが趣味の世界ですね。

2013年4月16日放送の『なんでも鑑定団』で、「青色勅額10銭切手(カタログでは未使用の評価額は5,000円)が貼られた封筒」が出ました。200万円で買った切手が300万円の評価でした。このように「ないものが高い世界」です。この封筒は、現在70歳代の群馬の切手商が青年時代に作ったものでした。

■団塊の世代が切手収集を再開するケースが多い!

――「切手収集の趣味」というのは、昔なら誰でも一度ぐらい通る趣味かと思います。現在でも、切手収集を趣味としている人は多いのでしょうか。また、若い人たちでも趣味とする人はいますか。

清田社長 戦後から昭和50年代までは若年層のコレクターがいましたが、テレビゲームの普及とともに若年層のコレクターはテレビゲーム、カードゲームに流れました。平成期は趣味が多様化、傾向が様変わりし減少しました。

昭和期はデパートに「切手・古銭売場」が常設されていましたが、平成になり売り場は半分以上閉鎖されたと思います。例えば、現在の都内のデパートでは、京王百貨店と東武百貨店のみに切手・古銭売り場があります。昔は、伊勢丹、三越、東急、松屋、西武等に常設されていました。

――なるほど。ちょっと寂しいですね。

清田社長 現在のコレクターは、団塊の世代で仕事をリタイアした人が多いようです。昔の切手ブームを経験した世代が、昔の趣味の続きで始めるといったパターンですね。子供のころは高くて手が出なかった切手を収集する人が多数いると思われます。家の近くに切手屋さんがない場合、インターネットのサイトで買うという人は増えています。

――切手を集めることの喜びとはどのようなものでしょうか。

清田社長 そうですね、主に5つですね。

1.記念切手による歴史の勉強。記念切手は、その年の出来事で発行されたものが多いです(オリンピック・万博等)。
2.日本の美術品の勉強。浮世絵・近代美術・国宝等を図案にした切手がありますので。
3.日本の動物や植物を知る楽しみ。自然保護、花、鳥等です。
4.発行された切手でアルバムの空欄を埋める楽しみ。
5.もしかしたら値が上がるかもしれないという欲。

あまり投資などと考えずに切手の美しさを楽しむのがよいのではないでしょうか。


いかがだったでしょうか。

確かに216%、またそれ以上の相場感のある切手もあったようです。しかしあまり投資先と考えない方が良いというプロからのアドバイスです。

皆さんは切手を収集したことはありますか?

⇒『日章スタンプ商会』さんの公式サイト
http://www.e-nissho.com/

(高橋モータース@dcp)