釜揚げうどん1 杯ごとに1円が、開発途上国の学校給食として寄付される

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飲食店で、料理を食べました。ごちそうさま! じゃあ、代金を支払いましょうかね。
これは、売手と買手による純粋な関係。では、ここに“善意”を込めたら……? 

答えは、こちら。讃岐うどん専門店「丸亀製麺」は、4月からTABLE FOR TWOの寄付付き商品を販売。これは、いわば飢餓の解消を支援する取り組みだそうです。

では「TABLE FOR TWO」(直訳すると「二人のための食卓」)について、ご説明させてください。

考え方は「“先進国”の我々と“開発途上国”の子どもたちが食事を分かち合う」というコンセプト。社員食堂や店舗でヘルシーメニューを購入すると、代金の内20 円が寄付となり、アフリカの子どもに給食1 食分をプレゼントできる。……というシステムであります。

ちなみに「TABLE FOR TWO」のアイディアは、2006年6月カナダ・バンクーバーで開催された「世界経済フォーラム」のヤング・グローバル・リーダー会議で誕生。「世界人口において、過体重人口と飢餓人口がそれぞれ約10億人いるという問題について様々な国の人々によって議論され、日本から参加していた3人によってTABLE FOR TWOのアイディアが発案されました」(「TABLE FOR TWO」担当者)

過体重の人々の余分な食べ物を飢餓状態の人々に分ければ、食糧もムダにならず、飢餓状態の人々は飢えから脱することができ、一石二鳥!  そんなこのアイディアは伊藤忠の社員食堂で2007年2月よりスタートしており、これまで企業や官公庁、大学、病院など約560団体が参加。約2,078 万食をアフリカのウガンダ、エチオピア、タンザニア、ケニア、マラウィ、ルワンダに届けてきたそうです。

その試みの一つとして、今回は「丸亀製麺」を運営する株式会社トリドールと手を組んだ。
「もともと干ばつの多い讃岐地方では、米の裏作として栽培された小麦が食事の中心になったと言われています。厳しい環境の中でも工夫を重ねることで、讃岐うどんは日本の誇る食文化の一つにまでなりました。そのような歴史を持つ讃岐うどんを提供する当社から、温暖化や干ばつの影響で食の危機にさらされている地域・国にできる貢献を検討しているとお聞きし、TABLE FOR TWOへの参加を決めました」(「株式会社トリドール」代表取締役社長・粟田貴也氏)

こうした経緯によって、同店が提供する代表メニュー「釜揚げうどん」(並:280 円、大:380 円、特:480 円)がTABLE FOR TWOのヘルシーメニューになったのだ。1 杯ごとに1円が、開発途上国の学校給食(1食あたり20 円)として寄付されることになる。
……ごめんなさい。素朴な疑問があるんです。この「釜揚げうどん」も“ヘルシーメニュー”と考えて、本当にいいのですかね?
「うどん自体は麺類の中でもカロリーが低く、丸亀製麺のうどんは国産小麦100%を使用しており、我々が取り組む食糧問題の観点からも意義があります」(担当者)
そうでしたか、讃岐うどん! 過体重に悩む方のメタボ脱却の一助となるか!?

ところで開発途上国の学校給食が充実すると、どうなる? ……なるほど。どうやら、思わぬ効果があるみたいです。

「学校給食は飢餓に苦しむ子どもたちの空腹を満たすだけではなく、小学校への就学率と学業成績の向上にも繋がり、飢餓や貧困から抜けだすための良い循環を生み出します。また子どもたちの基礎体力を向上させることで病気予防に貢献したり、学校と親とのコミュニティ形成にも繋がっています」(担当者)

端的に言うと、給食があるからこそ「学校に行こう!」というモチベーションになる。それが、自ずと学業成績の向上に繋がるわけです。「この社会貢献活動は、アメリカ、イギリス、韓国、香港、台湾、スイス、ノルウェーなど11カ国に広まっています。今後も、さらに活動地域を拡大する予定です」(担当者)

……というわけで、うどんを食べに行ってきます。
(寺西ジャジューカ)