一卵性双生児の兄弟役という「大きな挑戦」をしたヴィゴ/[c]2012 Tornasol Films SA/Haddock Films SRL/Castafiore Films SL/Terz Filmproduktion

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「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズや『イースタン・プロミス』(07)などで知られる名優ヴィゴ・モーテンセン。彼が製作と主演を務め、一卵性双生児の兄弟を1人2役で演じたサスペンス・スリラー『偽りの人生』が7月12日(金)から公開される。都会で医者として裕福な生活を送る弟と、故郷に残り犯罪に手を染めていく兄。正反対のキャラクターに挑戦したヴィゴが本作について語ってくれた。

【写真を見る】役作りのためには脚本よりも想像することが大切!?

物語の舞台は双子の兄弟が育ったアルゼンチンの田舎町ティグレ。アルゼンチンといえば、ヴィゴにとっても幼少期を過ごした“第二の故郷”だ。「アルゼンチンには3歳の頃から11歳になるまで住んでいたんだ。だから今回演じた双子の兄弟と同じような時代を僕も過ごしたし、日常的にスペイン語も話していた。その意味で、とても馴染みのあるキャラクターを演じることができたよ」。

双子という「ふたつのキャラクターを演じられる可能性」に引きつけられたというヴィゴ。撮影にあたり、近年タッグを組むことが多いデイヴィッド・クローネンバーグ監督にも相談を持ちかけたそうだ。「彼がジェレミー・アイアンズと組んで作った『戦慄の絆』(88)は一卵性双生児を扱った映画なんだ。そのときはどういう風に取り組んだのか、彼に直接話を聞いて参考させてもらったよ」。

では、見た目が似ているふたりのキャラクターをどのようにして作り上げたのか。「役作りのために言葉のアクセントや仕草を覚える必要があるけど、第一に考えるのは脚本の1ページ目の前に、彼らに何があったのかということ。つまり、自分が演じる人物が生まれてから脚本に登場するまで、どんな人生を送ってきたのかということだ。撮影までにその人生のすべてが想像できていないとダメなんだ」。

また、「僕は挑戦し、変貌するのが好き」と明かすヴィゴ。独自の理念を持ち、世界各地で多くの役を演じてきた彼は、役を選ぶ基準も独特だ。「世界中の人はいろいろな人生を歩んでいるわけで、キャラクターによってさまざまな視点を持っている。その人たちを演じることによって、深く学びたいんだ。表面上だけでなく、彼らの細かい気持ちまで知りたい。いつもそう思って役を選んでいるね」。

ヴィゴは日本映画好きとしても知られている。本作にも、過去の日本映画と共通する部分があるという。「僕が俳優として勉強を始めたときに、まず最初に小津安二郎の映画を観た。大げさな感情表現はないけど、それでも感情を感じるシーンが多いんだ。黒沢明の映画にも当てはまることだけど、僕の好きな日本の映画は感情がさりげなく表されている。『偽りの人生』もまさにそういうタイプの映画で、きっと心理的に働きかけてくるはずだ」。

今回の出演については「子供時代を過ごした国で、子供時代に話した言語で撮影し、本当に特別なすばらしい物語を語れる。創造性の面でも、僕にとって大きな挑戦」と思い入れたっぷりに話すヴィゴ。最後に「ほかの出演作とは全く違うし、双子を演じている姿も興味深く観てもらえるとうれしいね」と日本のファンに向けてメッセージを残してくれた。【トライワークス】