日本株急騰で投信が大人気。2倍高達成のカリスマ投信も続々。
個別株好きの投資家の中には、「投信なんて」と敬遠する人もいるが、まずは年初からのパフォーマンスを見ていただきたい。複数の銘柄に投資する投信でも、個別株をしのぐカリスマ投信は続々と登場している。


投信なら毎月1万円で積立可能なものも。税制面での優遇も。

一時的な急落こそあったものの、アベノミクスを背景に株式市場には国内外から多くの資金が流入している。これは投信市場も同様で、純資産総額が増えすぎて販売を停止する投信も出ているほどだ。

投信の調査・分析を行なうリッパー・ジャパンの篠田尚子さんは言う。「投信協会が発表した4月末のデータでは、追加型株式投信の純資産総額は64兆円を超えました。このままリスクオンの状態が続けば、過去最高となった2007年の10月の69兆684億円を今年中に超えるといわれています」

とはいえ、直近の投資主体別売買動向を見ると、投信からかなりの売りが出ているとの見方もあるが……。

「確かに、Jリートなどを組み入れた投信には利益確定の売りが出ています。もっとも、それらは半年で6割程度も上昇したのですから、投資家としては当たり前の投資行動かもしれません」(篠田さん)

投信といえば、過去には毎月分配型が飛ぶように売れた時期もあったが、現在では株式投信が中心に売れている。夏のボーナスが支給される6月下旬以降は、証券が株式投信を積極的に営業することが予想されており、投信を通じてさらに株式市場に資金が流入することになりそうだ。

「直近では、『JPMザ・ジャパン』という投信が売れていました。金融セクターや新興株を中心に運用していましたので、投資家の注目が集まったのでしょう。ただ、マーケットがいったん調整を入れたことで、これまでの経験則でいくと、今年の夏場は日経平均などに連動するインデックスファンドが売れるかもしれません」(篠田さん)

さて、投信と似たような金融商品にETFがあるが、流動性やコストではETFが有利との声もあるが、実際のところはどうなのだろうか。

「一般的にコストという側面ではETFに軍配が上がるかもしれません。しかし、投信なら毎月1万円くらいから積立投資が可能。さらに確定拠出年金などに会社が加入している場合なら、税制面での優遇が受けられます。また、最近では機関投資家向けだったインデックス型の投信がリテール(個人向け営業)にも販売されていて、これらは販売コストもかなり抑えられています。投資家のニーズに合わせて、使い分けてはいかがでしょうか」(篠田さん)

さて、表では、年初からの騰落率と、投資家に人気の投信をランキングしている。騰落率では、すでに2倍高投信も続々登場している。もちろん、これらは過去の実績で将来を約束するものではないが、気になる投信があれば運用報告書などで詳しく調べてみてはどうだろうか。



※データは4月末現在。販売手数料は税込みで上限を記載。出所:リッパー・ジャパン

篠田尚子(SHOKO SHINODA)
トムソン・ロイター・マーケッツ

慶應義塾大学法学部卒業。国内銀行で投信などの資産運用業務に従事。現在は、調査会社のリッパー・ジャパンに所属するファンドアナリスト。膨大なデータを分析し、動向などを詳しく解説する投信の第一人者。



この記事は「WEBネットマネー2013年8月号」に掲載されたものです。