早苗さんは木村さんが作ったリンゴに救われたひとりだ/[c]2012 ビックリ・バン

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身体の弱い妻のため、絶対に不可能と言われた無農薬のリンゴ作りに成功した男を描いた『奇跡のリンゴ』(公開中)。実話を基にした感動のストーリーで、同作は早くも話題を呼んでいるが、この無農薬リンゴにはもう一つの知られざる物語があったのだ。それを記録したドキュメンタリー映画『いのちの林檎』が7月13日(土)より公開される。

【写真を見る】『奇跡のリンゴ』で阿部サダヲが演じていた木村秋則さん

本作に登場するのは、化学物質過敏症を患った早苗さん。化学物質過敏症とは、ごくわずかな化学物質を摂取しただけで、呼吸困難などの重篤な症状を引き起こしてしまう病気だ。たばこや排気ガスを浴びることはもちろん、水道の水を飲むことすらままならない早苗さんは、脱水症状により命の危機に瀕していた。そんなとき、早苗さんは無農薬リンゴと出会う。このリンゴを口にすることで、ようやく安全に水分を取ることができるようになったのだ。

本作は、化学物質まみれの空気を逃れ、標高1,000メートルの山奥でテント生活を続ける早苗さんとその母を追いかけていく。ところが、汚染された空気はこの場所にも届いてしまい、2人は息を吸える場所を求めて放浪生活に入るのだ。ひとつの命がリンゴによって救われるという感動を描きながらも、化学物質による汚染を平然と見過ごしている現代社会に対し、強く警鐘を鳴らす作品にもなっている。

劇中には、無農薬リンゴを栽培した木村さん本人も登場している。無農薬リンゴが明らかにした知られざる問題に目を向けてみてほしい。【トライワークス】