『モンスターズ・ユニバーシティ』の声優コンビ、石塚英彦と田中裕二にインタビュー

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ホンジャマカの石塚英彦と、爆笑問題の田中裕二の名コンビが11年ぶりに復活!と言っても、漫才ではなく、『モンスターズ・ユニバーシティ』(7月6日公開)での声優コンビのことだ。大ヒット作『モンスターズ・インク』(01)の前日譚を描く本作で、サリー役とマイク役を続投したふたりにインタビュー。子供の頃の夢や、お互いの相方について、興味深い話を聞いた。

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『モンスターズ・インク』(01)でのマイクとサリーの仕事は、子供の悲鳴を集めて、街のエネルギーに換える“怖がらせ屋”だった。本作では、マイクたちがなぜコンビを組むことになったのか、彼らの大学時代に遡ったエピソードが描かれる。特に、マイクが、怖がらせ屋になるという夢を追い続け、努力していく姿が実に健気だ。人気お笑い芸人である石塚たちは、幼い頃、どんな夢を持っていたのか?また、これまでに挫折などを経験したことはあるのだろうか?

石塚は「僕は、全部がスムーズにいくものだと思っていないし、どこがゴール地点かってこともわからなくて。僕がこの世界に入ったきっかけは、映画の主役をやりたいと思ったから。それで、食レポの仕事とかで、バラエティー番組に出たりしながらも、着々とお芝居の仕事もいただいている。だから、いつになるかわかりませんが、死ぬまでに映画の主役ができたら良いかなと。要は、好きな方向へ向かっているので、挫折とかは特に味わったことがないんです。違う仕事も楽しいし、それはただ、夢への通過点とか、勉強だととらえているので」。

田中もうなずきながら、自身の夢について話してくれた。「僕は、野球選手になりたかった。でも、クラスで一番小さかったし、中学校へ行ったら、野球部自体がなかった!それで、今度はアナウンサーになりたいと、高校から放送部に入ったんです。大学は日大芸術学部でしたが、放送学科に落ちて、演劇学科にしか受からず、そこで出会ったのが相方の太田(光)です。それから予想だにしない展開があった。今、僕はアナウンサーにはなれなかったけど、番組の司会やラジオ、今回の声優の仕事など、言ってみればアナウンサー以上のことをやらせてもらっている。野球選手は無理でも、スポーツ番組で、いろんな野球選手の話を聞いたりもできるし。当初の予定とは全然違うけど、どこかでリンクしているんです」。

石塚も「一つの夢に決めつけてしまう必要はないんです。たとえば、ずっとナポリタン食いたいと思っていたのに、煮込みの方が本当は良かったってことあるじゃない?」と、いきなり食べ物のたとえ話を始めると、田中も相槌を打ち、「ナポリタンがないから、しょうがないってことで、煮込みうどんを食べたら、それがすごく美味かったりするんです」と、笑顔を見せる。

田中が「夢なんて叶うことは珍しいんだけど、だからといって悲観することはない。別の夢も生まれてくる。僕は今、野球選手になれなかったことを全く悲しんでないです。時間が経てば色々と変わるから」と言うと、石塚は「ただ、夢に向かって踏み出さないと何も始まらない」と続ける。「子供たちには、最初からなりたいものになれっこない、とかは思ってほしくない。子供のことが心配だから、公務員になってくれ、という親はいっぱいいます。でも、夢があるのなら、それを追っかけるくらいの気持ちを子供には持っていてほしい」。田中も「可能性は限りないし、それが面白い」と、子供たちにエールを贈る。

また、ふたりとも、マイクとサリーのように、相方との出会いがとても大きかったと振り返る。まずは石塚から。「相方はまさにマイクで。ライブをやろうとか言い出すのも恵(俊彰)だし、具体的に日にちや劇場を決めるのも相方。まさにマイクの攻め方で、細かいところを積み上げていく。ふたりの仕事の時はそうだった。あいつはいつもプランを立てて、すごく先を見ていました。サリーとマイクの関係っぽいでしょ。僕は本当に努力をしないし、感性に任せて、面白いってことをやるだけなので」。

田中も「僕もそう」と、太田について語る。「何も考えてないんです。お笑いも相方から誘われてやったし、相方がいなければ何事も起きてない。不思議な縁ですよね。その結果、夢に見たような司会をやれたりしています。相方がそういうふうにしてくれたような感じで、とても感謝しています」。相方がいたからこそ、今がある。その関係性は、確かにマイクとサリーのようで、きっとその思いは声にも込められているはずだ。ビリー・クリスタルとジョン・グッドマンによる字幕版も愉快だが、田中と石塚による日本語字幕版も是非お見逃しなく!【取材・文/山崎伸子】