『アベノミクスで日本経済大躍進がやってくる』

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参院選の最大の争点であるアベノミクス。円安・株高の成果も見られるが、輸入食料品の値上げなど生活へマイナスの影響も出てきた。このまま進めるべきか。待ったをかけるべきか。専門家の間でも評価が分かれる。投票前にいま一度おさらいを――。

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国債暴落やハイパーインフレはくるのか

『アベノミクスで日本経済大躍進がやってくる』

なんとも景気のいいタイトルである。講談社の『アベノミクスで日本経済大躍進がやってくる』(著・高橋洋一、1260円)は、財務省出身で第1次安倍政権の経済ブレーンを務め、金融政策をアドバイスしてきた著者がアベノミクスと日本経済再生のメカニズムをわかりやすく解説する。

大胆な金融政策、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略の3本の矢でデフレ脱却をめざすのがアベノミクスだ。だが、批判もある。「金融を緩和すれば国債が暴落する」「金利が急騰、金融システムが崩壊する」「物価が上がるだけで給料は上がらない」「ハイパーインフレを招く」等々。これらの批判や疑問に一つひとつ反論、同時にアベノミクスに潜む「日銀リスク」「政治リスク」「財政リスク」についても言及する。

成長戦略のキーポイントはどこだ

『竹中先生、日本経済 次はどうなりますか?』

アベノミクスの繰り出した3本の矢で大企業には業績改善が見られるが、中小企業や家計にはまだまだその効果が及んでいない。この先、経済はよくなるのか。暮らし向きは向上するのか。アスコムの『竹中先生、日本経済 次はどうなりますか?』(著・竹中平蔵、田原総一朗、1000円)は、評論家でジャーナリストの田原総一朗氏が経済学者の竹中平蔵氏に日本経済のこれからについてズバリ聞くという構成である。

竹中氏はアベノミクスの成否を左右する3本目の矢である成長戦略をとりまとめる産業競争力会議のメンバーだ。「日本経済は必ず成長できる」と断言する。成長の方法はわかっているのだ。実現できるかどうかは、抵抗勢力に打ち克って規制緩和をどこまで徹底できるかどうかにかかっているという。

バブデフレーションで大格差時代が到来

『これから3年、日本と「地球経済」で起きること』

著者の浜矩子氏といえば、テレビでお馴染の紫色の髪で知られるが、アベノミクス批判の最も先鋭的な論客の1人である。ひところ、「1ドル50円」時代を予言したことでも話題になった。このたび、実業之日本社から出した『これから3年、日本と「地球経済」で起きること』(著・浜矩子、1470円)では、「バブデフレーションで大格差時代が訪れる」と警告している。

バブデフレーションとは、デフレ下のバブルのことのようだ。アベノミクスに浮かれ思考停止に陥っていると大変なことになると、座標軸分析を用いて経済の過去・現在・未来を解説する。前掲2書とは対極的な内容だが、両方合わせ読めばアベノミクスの理解がいっそう進むこと請け合いだ。