「ブラック企業」から自由になるには、いくら必要? FPが指南!

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お金の「そうなんだ!」「本当?」といったいろんな知識をファイナンシャル・プランナーのヤマサキさんが紹介します。今回は「ブラック企業から自由になるコスト」のお話。

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ブラック企業の本当の問題は、そこを辞めたあと生活がままならないため、「辞められない」こと。これは自分が解決するしかない問題です。

しかし、45万円貯めればブラック企業から自由になることができるのです。

■ブラック企業の本当の問題は「辞めたあと」

ブラック企業と呼ばれる会社の話題がちょっとした流行です。国会でもブラック企業の話題が出るくらいですから、もはやネットの流行語を超え、社会問題になりつつあります。

筆者はお金の専門家であるファイナンシャル・プランナーとして、働き方や稼ぎ方についてもコメントをする仕事ですが、ブラック企業については「実は、自分の問題でもある」ことを2つほど指摘しています。

ひとつは「自分の能力不足や能力向上のチャンスをブラックと置き換えてはいないか」という点です。

元々新入社員の給与は会社への貢献度合い以上の金額であったりします。年収が低い状態でも仕事のスキルを身につけるチャンスと考え、将来そのスキルが評価されれば、低年収のキツイ仕事は割が合うかもしれません。この点を見誤ると個人のキャリア的に大きな損失になります。(もちろん、将来も報われる可能性がないならブラックです)

もうひとつは「辞める自由がある限り、真のブラックとまではいえない」という点です。本当に問題があるのは強制労働の状態から逃げられないことです。ホリエモンもTwitterで「ブラック企業がイヤなら辞めて起業すればいい」という趣旨の発言をして、ちょっとした炎上になりましたが、私は堀江氏に同意です。

個人が起業してみると、ブラックな労働環境と文句を言っている余裕はないほど苦労します。自分が食うために働くことは結構大変なのです。そして、辞めさせてくれない会社はほとんどありません(この場合、労働基準監督署に通報すればすぐ辞められるでしょう)。

堀江氏に少し補足するポイントをあげるとすれば「辞められない理由が、自分に金がないから」という状態についてです。起業以前に会社を辞めて暮らしていけない場合、ブラックであろうと働き続けるしかありません。ブラック企業から抜け出せるかどうかは、実は個人の財布の問題でもあるわけです。

■45万円あればブラック企業から抜け出せる!

そこで、ファイナンシャル・プランナー目線で、「ブラック企業から抜け出すコスト」を考えてみたいと思います。

もちろん会社にお金を払って辞めさせてもらうわけではありません。どんなに会社に文句を言われようと脅されようと、会社を辞めるのにお金を払う必要はありません。問題はそのあとです。

ブラック気味に労務管理を行っている会社であれば、会社を辞めるとき「自己都合」で辞めることになります。会社と喧嘩をしてもクビにされることはあまりなく辞表を出す体裁にすることが多いはずです。個人としても解雇されたという履歴が残るのがイヤで自己都合で辞めたことにする人がたくさんいます。

問題はこの「自己都合」で辞めたケースです。失業給付(正確には雇用保険の求職者給付という)がすぐもらえないのです。会社の倒産や会社から解雇を言い渡された場合には、ハローワークに駆け込めば7日間の待機期間を置いてすぐ給付が始まります。しかし、自己都合で辞めた場合は緊急性が低いとみなされ、3カ月待たされてしまうのです。

逆に言えば、この3カ月をやりくりできれば、「いつでもブラック企業を辞められる」ということです。仮に毎月15万円で暮らしているのであれば、その3カ月分、つまり45万円あればいいのです。仕事を辞めたらかなり切り詰めるので、私は12万円くらいで暮らせるという人なら36万円でいいかもしれません。この間は税金も引かれますし、社会保険料は免除されますので、文字通り「生活費の実費」を考えればいいのです。

■転職するときも「45万円」が自分の力となる

ブラック企業、あるいはグレーな企業で勤めているときは、ぜひお金を貯めてください。お金を貯めることで、いつでも会社を辞めるチャンスが増えていきます。銀行の定期預金口座に45万円があれば、本当にブラックな会社から離れて、仕事と人生をリセットするチャンスが得られるのです。

繰り返しますが、「ブラックな会社を辞めると、生活できない」状態を改善しなければ「ブラック企業だけどまあ、給料もらえるし……」という状態を脱出できません。そして、この差はブラック企業の問題ではなく、自分の問題です。

結果として使わなくても、お金を貯めた経験はあなたの自信となり人生の選択肢を広げることでしょう。ぜひ、毎月5千円でも1万円でもいいので「45万円貯金」にチャレンジしてみてください。

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