「鳥取県境港でくつろぐ鬼太郎ファミリー」。妖怪のどこかユーモラスな魅力は水木氏の作品にも受け継がれている/水木しげる原画、昭和58年(1983)、水木プロ所蔵 ©水木プロ

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東京・日本橋の三井記念美術館で、7月6日(土)から妖怪をテーマとした展覧会「大妖怪展 ―鬼と妖怪そしてゲゲゲ―」が開催される。一見おどろおどろしいが、どこかユーモラスで“きもかわいい”ところもある妖怪は、現代の「ゆるキャラ」にも通じるところもある。この展覧会は、そんな点に注目して中世から近世までの日本の妖怪変化の歴史を、能面・絵巻・浮世絵・版本などを通して紹介。さらに、現代の妖怪として「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげる氏の作品を展示している。

月岡芳年画「新形三十六怪撰 おもゐつづら」。つづらから出てきた妖怪に驚く老婆も妖怪じみているのが面白い(前期展示)

「浮世絵の妖怪」をテーマとした展示では歌川国芳、月岡芳年、歌麿らの作品を紹介。恐ろしい姿だがどこか親しみやすい絵が並ぶ。童話「舌切り雀」でおなじみのつづらから様々な妖怪が飛び出てくるシーンを描いた月岡芳年の「新形三十六怪撰 おもゐつづら」を展示。他、うなされる子供の見ている怖い夢が漫画のような吹き出しに描かれている歌麿の「夢にうなされる子どもと母」などを見ることができる。

「妖怪フィギュア」のコーナーも設置。映画『陰陽師』でも知られる安倍晴明が外道の疫病神を調伏する場面をフィギュアで再現しているが、そこに並ぶフィギュアの姿はゆるキャラのよう。展示されている元の絵巻・狩野永納筆「不動利益縁起(泣不動縁起)」と比較してみると面白い。

「江戸から明治の妖怪」がテーマの展示では、図鑑を作るように個々の妖怪を描いた博物学的視点で描かれた妖怪、また「かるた」や「双六」に描かれるなど庶民の娯楽的な機能を果たしてきた妖怪の絵を展示している。

そして「現代の妖怪画」コーナーでは、水木しげる氏の描いた原画25点を展示。膨大な数になる水木氏の作品だが、今回は妖怪画集「妖鬼化(ムジャラ)』全12巻から日本の妖怪と鬼太郎の原画をセレクト。巨大な骸骨が人を襲う歌川国芳画「相馬の古内裏」と、それを元にした水木氏による「がしゃどくろ」両方が展示されているので、こちらも比較ができて面白い。

夏のひと時、イメージ豊かな妖怪の世界を楽しんでみるのもいいのではないだろうか。