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7月に入り、だんだんと暑くなっていくこの時期、「あ〜海へ行きたい!」と現実逃避に走りたくなる方も多いかもしれない(私です)。

もう何も考えず(体型とか年齢とか)ビキニを着て、お酒を飲んでビーチで踊って……胸板が厚くて笑うと白い歯が光る男子(←昭和っぽい……)と目があって……と妄想が暴走しそうだが、そんな私のチッポケなイマジネーションを遥かに凌駕する作品が現在上映中だ。

タイトルは『スプリング・ブレイカーズ』。ビキニ姿のキュートな女の子4人がちょっと頂けない雰囲気オーラを出しているポスターが印象的な本作、「世界を挑発する無敵のガールズムービー!」と大々的なキャッチコピーで公開直前にラフォーレ原宿、パルコなど大規模なタイアップ展開をし、様々な女性誌にも取り上げられていたガールズムービーだ。

ストーリー


何も刺激のない学園生活をつまらなく感じていた女子大生四人組は、“スプリング・ブレイク”(大学生の春休み)にフロリダに行こうと思いつく。 とはいえ、お金のない彼女たちはニセモノの銃を使って強盗、まんまと資金をだまし取り、憧れの土地へ。四人はさっそく色とりどりのビキニ姿に変身し、ハメを外しまくる。挙げ句の果てにはドラッグ・パーティーに参加して警察に逮捕されるも、全身タトゥーのドラッグ・ディーラー、“エイリアン”が救いの手を差し伸べる。しかし、彼との出逢いによってだんだんとあらぬ方向へ事態は展開していく。

ビッチガール達を、全米アイドルたちが体当たり


刺激を求めて、アンダー・コントロールな世界へと足を踏み入れてしまう女の子達を体当たりで演じているのは……セレーナ・ゴメス、ヴァネッサ・ハジェンズ、アシュリー・ベンソン、レイチェル・コリンという日本でも注目を浴びる女優たち。なかにはディズニー出身のポップアイコンとも言える元子役らも混じり、そのキャスティングが話題を読んだ。また、“エイリアン”と呼ばれる怪しいドラッグ・ディーラーを若手実力派俳優のジェームズ・フランコが怪(!?)演。「彼だと気づかなかった!」と言う人もいるくらいの変貌ぶりを見せている。

手がけたのは、注目の映像作家ハーモニー・コリン監督


手がけたのは、ラリー・クラーク監督作『KIDS/キッズ』(1995年)の脚本を手掛け、若者達を鋭く刹那に描いた才能で一躍脚光を浴びたハーモニー・コリン監督。その後も『ガンモ』(1997年)、『ジュリアン』(1999年)、『ミスター・ロンリー』(2007年)など、インディーズな立場でその独自の世界に熱狂的なファンを導いてきた。コリン監督作品を初めてご覧になる方は「4人のビッチな女の子達が犯罪を働くわ、ビキニでやりたい放題だわ、なんだこりゃ〜!」と感じる方もいるかも知れない。が、一方で過去のこれまでの監督作を見ている方、彼女らに潜む刹那的で孤独で何か自分と違ったものになりたいという、若い頃に一度は通る収まり切らない感情が、極彩色が脳に侵食してきそうな映像と音楽の裏に流れているのを感じる方もいて、見る人によって随分と印象も違うようだ。

さいごに


いずれにせよ、本作はオープニングから超ポップで過激な映像で始まり(ここでテンションが上がるかドン引きするかでその後入り込めるかが決まります。きっと……)、楽園のような生活に憧れるビッチガール達の冒険が繰り広げられる。大人たちは眉をひそめるモラルの欠片もない行動の連続なのだが、案外一度はこんな事してみたかった、なんて思ってしまう女子は意外と多いかも。社会じゃ絶対NGだけど、ハーモニー・コリン監督の世界の中でビッチな気分に浸るのはなかなか楽しい。ラストの結末も映画だからこそ責任感のない終わり方(笑)。でも、それでいいんです。だって楽園なんてないのだから(泣笑)。ちなみにサウント・ドラックを手掛けているのは、第55回グラミー賞で昨年に続きグラミー賞3部門獲得の快挙を達成した、EMD界で“最もブッキングしたいDJ”と言われるSKRILLEXと、元RHCPで今は映画音楽作家として活躍するCliff Martinezの2人。本作の世界観を大いに盛り上げてくれている。本作は割りきって楽しむ姿勢が◎と思われます。
(mic)

『スプリング・ブレイカーズ』は現在公開中。
http://www.springbreakers.jp