株高と円安が一服する中、長期金利の上昇傾向が続き、日銀による異次元の金融緩和の評価も、やや色褪せてきた。特に住宅ローン金利の上昇が続いているのが痛い。だが、冷静になって金融市場を眺めてみると、長期金利の上昇は悪いことばかりではないことがわかる。前回の記事で紹介した個人向け社債の利率の上昇など、幸いにしてローンに無縁の人にとっては、金利収入アップが期待できるからだ。

 その象徴的な例が6月に起きた。みずほ銀行は6月3日から定期預金金利を引き上げているのだ。期間2〜10年ものを0.01〜0.1%の幅で引き上げており、中でも期間5年以上の引き上げ幅がやや大きく、例えば300万円未満のスーパー定期5年もの金利は0.05%となった。他のメガバンクは0.03%なので、メガバンクの中ではみずほ銀行が最も高く、それは5年以上の期間が長めの定期預金についてもあてはまる。引き上げ幅は微々たるものだが、預金金利の引き上げの動きが始まったことは歓迎したいと思う。

 一方、メガバンク以外に目を向けてみると、魅力的な金利を提示している銀行がいくつかある。現在は夏のボーナスシーズンということもあり、各行、いろいろなキャンペーンを展開しているからだ。以下、早速紹介していこう。

■1年ものが何と0.5%の定期預金も

 まず、新生銀行の「円定期キャンペーン」は、1年ものが0.2%、3年ものが0.3%、5年ものが0.45%となっている。インターネットで申し込んだ場合、最低預入金額は100万円。店舗や電話だと500万円から。期間は7月31日までとなっている。住信SBIネット銀行の「円定期預金 特別金利」は、6か月ものが0.2%、1年ものが0.25%。1000円から預入が可能なのだが、特筆すべきは、新規口座開設をして10万円以上預けると、現金1500円がもらえる点。これはなかなかスゴイ。期間は7月28日まで。イオン銀行の「生活応援 夏の定期預金キャンペーン」は、1年もの・2年もの・3年ものがすべて0.3%、5年ものが0.35%と健闘している。1万円以上から預け入れができ、期間は8月31日まで。

 夏のキャンペーンではないが、じぶん銀行が継続している「デビュー応援プログラム」も目を引く。通常の3か月もの定期預金の0.15%に0.25%が上乗せされ、0.4%を受け取れるというものだ。預入金額、期間とも明示されていないが、通常の円定期預金と同じだとすると、1円から預け入れることが可能だ。また、地銀でも有力な選択肢に入りそうなものがある。

 静岡銀行インターネット支店の「プレミアム金利」は、1年ものと3年ものが0.35%となっている。最低預入金額は10万円で、期間は8月30日まで。

 そして、これはキャンペーン商品ではないのだが、香川銀行セルフうどん支店の「超金利トッピング定期預金」も紹介しておこう。1年ものが、なんと0.5%(!)となっている。預入金額は1万円以上からで、限度額は100万円まで。期間は設定されていないので、常時預け入れが可能だ。

 いろいろと紹介してきたが、昨年と比較しても、まだ金利上昇の恩恵が及んでいるとは言い難い。ただし、米国金利の上昇は続いているため、連動性が高い日本の金利もさらに上昇しそうだ。今後の預金金利の引き上げに期待したいところ。

 また、最後に注意点を。定期預金に預け入れをする場合、前述のように、長期金利のさらなる上昇が予想されるため、1年以下のものにするのが無難だろう。長期間資金を固定するのはリスクがある。もし途中解約でもしようものなら、手数料がかかり、金利が吹き飛んでしまうこともあるからだ。当面は、短期もので運用することをおすすめしたい。

(文/松岡賢治)

マネーライター、ファイナンシャルプランナー/シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。最新刊に『人生を楽しむマネー術』(共編著)。