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安倍政権発足以来続いてきた「アベノミクス相場」にも陰りが見え始めた。

陰りの正体は、?アベノミクスによる?ユーフォリア(熱狂的陶酔感)〞が冷め始めていること。?中国の景気の減速傾向。?米国の景気回復によるFRB(連邦準備制度理事会)のQE3(量的金融緩和第3弾)出口戦略の早期化などだ。

特にQE3の出口戦略は、これに関連した要人発言なども含め、相場の波乱要因になっている。

FRBの現在の国債保有残高は1・75兆ドル程度。その償還時期は、オペレーションツイスト(今回の場合は、短期国債を売却して、長期国債の買い入れ)などの実施により延びており、3年以内に償還を迎える国債はほとんどない。

現在FRBが実施している月間450億円ドルの国債購入は、4〜30年の7つの年限を対象に行なわれ、平均残存期間は9年。国債購入は、月間の国債発行額の25%に相当している。

償還は2016年以降に本格化するが、2022年までの10年間を見ても、償還を迎える国債は保有国債の75%程度にとどまり、償還期間の最も長いものはなんと2043年になる。

こうした状況下、米国景気に回復傾向が表れるとともに、FRBのQE3に対する出口戦略が重要になってきている。

前述のように、米国の場合、購入する国債の平均残存期間が9年と黒田日銀総裁が実施した?異次元緩和〞の7年程度に比べても長期だ。そのうえ、最長は2043年までかかってしまう。

加えて、FRBは日銀なのように資金吸収オペを日常的に行なっていないため、QE3の出口戦略でのオペレーション(手段)がないことも懸念材料となっている。

このため、FRBが出口戦略を早期に進めたいのは間違いないだろう。しかし、現状の米国の景気回復が消費マインドの改善に支えられていることは明らか。

これは、いまだにまだら模様の企業業績を見れば、QE3による株価の回復とその資産効果によるものであることがわかる。

米国では歳出強制削減が実施されており、この影響が企業業績に影を落としている。

このため、FRBは企業業績の回復が米国景気を牽引するようになるまでは、QE3の出口戦略は実施しないものと思われる。

判断は、早くとも9月以降ではないだろうか。



この記事は「WEBネットマネー2013年8月号」に掲載されたものです。