力強い上昇が続いていたフィリピン株も、5月はやや調整局面に。一方、北朝鮮情勢の緊迫感が遠のいたことで、韓国株は上昇に転じている。さて、これから注目される国や地域はどこか?


5月の新興国株相場は、前月まで好調に伸びていた東南アジア株がいったん調整する一方、中国本土株市場が月間としては年初来最高の上昇率を記録するなど、国・地域ごとにまちまちの展開だった。

中国本土株は、HSBCが5月2日に発表した4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月よりも落ち込み、中旬には不動産規制強化を懸念させる新聞報道が出るなど不安材料もあったが、貿易統計の改善や新築住宅価格の上昇など、景気回復を予感させる好材料も出始めたことから、久しぶりの上昇局面に。代表的インデックスの上海総合指数は、5月は1カ月で5・7%上昇した。

対照的に、4月に節目の7000ポイントを超えて過去最高値を更新し続けていたフィリピン総合指数は、5月下旬から続落し、一時は7000ポイントを割り込む局面も。

ただし、5月30日に発表されたフィリピンの1〜3月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前年同期比7・8%と依然好調であり、5月13日に投開票された中間選挙では、国民人気の高いアキノ現大統領率いる与党連合が過半数を握るなど、政治的な安定も保たれている。中旬以降の下落は、日本および米国の株式相場が大きく調整した影響もあり、外部要因が改善されれば、フィリピン株は再び上昇基調を取り戻す可能性が高い。

東南アジアで5月に最も好調だったのはベトナム株。VN指数は5月末までの1カ月で9・3%上昇し、500ポイント台を回復した。

北朝鮮情勢の緊迫化とウォン高で4月に大幅調整した韓国株も5月は反転上昇。勢いが今後も続くのか注目される。



※グラフは2013年5月1日〜2013年6月3日の月間騰落率。

この記事は「WEBネットマネー2013年8月号」に掲載されたものです。