プロ仕様の技術が詰まった高級ポータブルオーディオプレイヤー「iBasso Audio HDP-R10」

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おいしい料理、いい香り、うつくしい景色――。感覚が良質の刺激を受けると、心の底からリラックスして、ストレスから解放される気分になるものだ。しかし、日々仕事に追われるビジネスパーソンに、ぜいたくを味わう暇は多くない。つい便利さを優先してしまいがちである。

そんな生活を繰り返すうちに、感覚が鈍くなってしまい、ストレスが慢性的に解消されないと感じている人はいないだろうか。そんな中、心の栄養を摂取するために「いい音」を追求する製品を手にする人が増えているという。

CDの10分の1にまで圧縮された「今どきの音楽」

都内の大手家電量販店では、この1年ほどで「いい音」を聴かせるコーナーを大幅に拡充するところが目立つ。売れ筋は実売1万円台のヘッドフォンと、パソコンやスマートフォンに接続するヘッドフォンアンプだ。

街は音にあふれ、テレビをつければ流行の音楽が流れてくる。スマホには何百曲ものデータを収録できるので、聴きたい音楽をいつでも再生することができる。しかし、薄型テレビのスピーカーは小型化し、スマホのデータはCDの音源を10分の1に圧縮している。便利さを優先して、音質を犠牲にしているのだ。

かつてアナログレコードからCDに移行したとき、音楽愛好家たちは「こんなシャリシャリした音は聴けない」と顔をしかめた。しかしいまでは、そんなことをあげつらう人もほとんどいなくなった。

それでも一部の音楽愛好家の中には、「何とかしていい音を聴きたい」「豊かな音を聴いて心から癒されたい」という人がいる。そんな人たちが注目しているのが、CDよりも解像度の高いハイレゾリューション音源、通称「ハイレゾ音源」。よい録音とマッチすれば、まるで目の前で生演奏をしているような感覚で音楽を楽しめるのだという。

人が音を聴き取ることができる「可聴域」の周波数は、下は20ヘルツから上は15〜20キロヘルツといわれる。CDはその範囲をカバーしているので十分なはずだが、愛好家の中には「20キロヘルツ以上の音も人間の感覚に影響を与える」と指摘する人もいる。

実は録音・制作現場の元音源であるスタジオ・マスターは、理論上96キロヘルツもの音を含んでいることになる。CDの3倍から8倍、MP3など圧縮データの40倍から90倍もの情報量があるハイレゾ音源は、そんな愛好家にとって待望の規格といえる。

音源配信サイトが増加中。機器も手に取りやすくなった

ハイレゾ音源の実力を発揮させるには、パソコンに「DA(デジタル/アナログ)コンバーター」というデータ変換の機器を接続する必要がある。

かつては数十万円の機器が一般的だったが、プロ用音響機器販売のヒビノインターサウンドとiBasso Audio社が2012年に持ち運び可能な民生用商品を共同開発し、10万円を切る価格(実売8万8000円前後)で販売し始めた。

編集部でこの機器にヘッドフォンを接続して試聴したところ、確かに最近聞いたこともないほど「情報量が多い」という印象を受けた。高音の伸びと低音の深みが、CDやスマホとは格段に違う。「人間の可聴域からすれば、CDで十分」というのは、本当なのだろうかと疑問を抱いてしまった。

この感覚はスピーカーに接続すると、音が内臓を鳴らすような感覚があるので、さらにはっきりする。鼓膜が捉えきれない音域も、身体が受容しているのは間違いがない。

ハイレゾ音源を配信するサイトも増えている。オンキョーが運営する「e-onkyo music」が最も知られているが、そのほか「KRIPTON HQM STORE」「OTOTOY」「Linn Records」「HDtracks」といったハイレゾ音楽配信サイトがある。扱うジャンルはクラシックやジャズはもちろん、ロックやポップス、インディーズ音源もある。

何をやっても感覚的に満たされなくて、日々のリフレッシュが図れないと物足りなさを感じている人は、オーディオショップや家電量販店でいちど試聴してみてはいかがだろうか。