LCC(格安航空会社)のエアアジア・ジャパンがANA(ANAホールディングス:9202)との合弁事業を解消したため、日本市場での戦略の再構築に迫られている。アジアでは躍進の目覚ましいエアアジアがこのまま日本市場から撤退するのか、あるいは、新たなパートナーを獲得して再参入をするのか、次の戦略が興味深い。

 一方、このエアアジア・ジャパンの出直しは、競合他社、特に元祖格安航空会社のスカイマーク(9204)やAIR DOにとっては朗報かもしれない。

 利用者の間に、「LCCってやっぱりだめかもしれないのね」、という思いが出ている今のうちに、LCCに流れた顧客を取り戻す、あるいは、LCCが登場したことで初めて飛行機に乗った利用者を奪い取る戦略がこの2社には求められる。そこで今日は上場をしているスカイマークに注目する。

 スカイマークは今年に入ってLCC対策を進めてきている。搭乗率のデータを見ると大きな下落は見られないため、ある程度効果があると想像できる。一方、それらの策は対LCCのみならず、潜在的にはJAL(日本航空:9201)、ANAの顧客を奪う効力も持っていると思われる。それらの施策について以下紹介していく。

スカイマークはビジネス客をどこまで取り込めるかがカギ

 私はほぼ毎週出張をしているが、最近はもっぱらスカイマークを利用している。去年まではなるべく乗りたくなかった航空会社が、今年になってからお気に入りの航空会社に変身した理由は、割安チケットでも便の変更が可能になったこと、そして7日前までなら取消手数料が無料になったためである。

 各航空会社は、普通運賃とは別に早く購入すればするほどに値段が安くなる割安なチケットを販売している。普通運賃と割安運賃のチケットの大きな違いは、一度購入したチケットのキャンセルや便の変更が自由にできるかどうかである。

 普通運賃の場合はそれらがほぼ手数料なし可能だが、割安チケットの場合は便の変更は認められていないものが多く、キャンセルする場合は相応の手数料が取られ、場合によっては運賃の半額程度になってしまう。したがって、割安チケットは一度購入してしまうと旅行の行程を変更することが難しい。

 しかし、スカイマークは今年になってから、割安チケットでも便の変更を可能とし、7日前までならキャンセルに伴う手数料もなくした。

 これは特にビジネス客に対してはアピール度合いが高いと思われる。法人契約のもと、JALやANAの普通運賃に乗っているという一部の恵まれたビジネスパーソンならまったく関係ない話であるが、今や出張現場でも多くのケースは早割や特割などの割安チケットで対応している企業が多い。

 観光の場合なら直前になって行程が変更するということはあまりないかもしれないが、ビジネスにおいては打ち合わせの相手の予定が変更になった、あるいは、予定よりも打ち合わせが早く終わった、長引いたなんてことは日常的にある。こういうビジネスパーソンに魅力的な策を導入したもののまだ浸透度合いはイマイチである。今後のスカイマークが取り組むべきは、ビジネス客へのアピール、法人営業の強化ということになる。

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