知能とはIQだけではない
「マルティプル・インテリジェンス」と「EQ(感情知能)」

 1983年にハーバード教育大学院のハワード・ガードナー教授は唱えました。「知能(Intelligence)とは複雑で総合的な力であり、少なくとも8つの側面を持つ」と。それが「マルティプル・インテリジェンス(Multiple Intelligence)」という考え方でした。

 IQテストで測れるものはその8つのうち2つ(言語的知能[word]、数学・論理的知能[logic])に過ぎません。ヒトが生きていく上で役に立つ知能は、他にもいっぱいある(*1)のです。それらは各々、賞賛され訓練されるべきものなのです。しかし、日本の教育現場(家庭でも学校でも)では、そういった考え方は広まりませんでした。

 1990年にはその感情面に焦点を当てた知能レベルの把握法が提唱されます。それがピーター・サロベイ、ジョン・メイヤー両博士によるEQ(Emotional Quotient)理論でした。彼らは「感情を上手く理解、活用する能力は基本的知能であり測定可能である」とし、それを4つに分類しました。それが感情の「識別(indentify)」「利用(use)」「理解(understand)」「管理(manage)」です。

 EQは、1995年にダニエル・ゴールマンが『EQ〜心の知能指数 Emotional Intelligence』で、EQを25のコンピテンシーとして定義したことで、社会人研修や新人採用に普及しました。でもやはり日本では、学校・家庭レベルに浸透することはありませんでした。感情のコントロールや表現を訓練するという習慣や実践は、日本の子どもたちになされることはなかったのです。

*1 他の6つは、空間・視覚的(picture)、身体的(body)、音楽的(music)、対人的(people)、内面的(self)、自然認識(nature)とされる。

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