スマホは自然と子犬に向けられ、SNSで写真が拡散する(首輪についているのがWi-fiルーター)

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外出先でもネットにつなげるために、Wi-fi(無線LAN)に接続できるお気に入りのカフェを確保している人もいるだろう。最近ではスターバックスなどの飲食チェーンが、集客を目的として店舗のWi-Fi化を進めるなど、街中でWi-fiは欠かせない存在になりつつある。

タイの携帯キャリアDtacは、こうしたWi-fiへのニーズを捉え、子犬にWi-fiルーターが埋め込まれた首輪を取り付け、街に放つという大胆なキャンペーンを展開した。通行人はそのWi-fiスポットにアクセスすると、無料でネットに接続することができるしかけだ。

米国ではホームレスに持たせて批判続出

子犬のWi-fiにアクセスた人たちは、スマートフォンを自然と子犬に向けることになる。子犬を撮影した写真は、Instagramなどの写真共有アプリやSNSに投稿されて、大きなクチコミが起こった。

キャンペーンの斬新さがウケて、地元のテレビ番組やブログでも取り上げられ、500万人以上にキャンペーンの存在が知られることになった。結果的に、子犬と一緒に写った写真は50万枚以上シェアされ、1万人以上が子犬経由のWi-fiを使い、同社のWi-fiルーター購入が4倍にも増加したという。

なぜ据え付けではなく「子犬」なのかというと、同社が扱うWi-fiルーターが、「動き回りながらでも安定してネットにつなぐことができる」ことを訴求するためだった。

また、動物の写真がソーシャルメディアと相性がよいのは定説になっている。メディアやクチコミの特性をうまく活かした例と言えるだろう。

とはいえ、動物愛護団体などから「子犬をWi-fiスポットにするなんて」と言う声も聞こえてきそうだ。昨年3月には、米国のマーケティング会社がホームレスをWi-fiスポットにしたキャンペーンを行ったが、こちらは人権団体から抗議を受けてネガティブに拡散されていった。

日本ではホームレスも使えないし、人混みで子犬を放すことも難しい。何を使えば大きく拡散されるようなキャンペーンを張ることができるだろうか。(岡徳之)