本屋が万引で大損害をする理由!あの業界の原価率ってどのくらい?

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商売の基本は商品の原価率を安く抑えて利幅を大きくすることです。しかし、なかなかそうはいかないのが世の常。そんなに甘くはありません。原価にまつわる話を集めてみました。


■本屋さんは万引で大損害を受けます!

本屋さんというのは特殊な商売です。「再販制度」というのがあって、本の価格(新刊)は日本全国どこで買っても同じ値段です。また本屋さんは取り次ぎさんから本を「委託」されて販売するという仕組みになっていて、基本的には売れなかったものは返本してもOKなのです(返本期限がありますが)。

こう書くといい商売だなと思うかもしれませんが小売りの本屋さんは利幅の薄い商売です。

版元と呼ばれる出版社は、取り次ぎさんに大体65%-70%ぐらいの卸価格で本を卸します。取り次ぎさんは小売りの本屋さんに大体78-80%ぐらいで卸します(正味77%という話も取材で聞こえてきました)。

話を簡単にするため、600円の漫画の単行本を考えてみましょう。
○出版社 → 取り次ぎ 70%卸で420円
○取り次ぎ → 本屋 80%卸で480円

600円の単行本を1冊売って本屋さんのもうけは
600円 – 480円 = 120円 です。

この単行本が万引されると480円のマイナスですから、それを取り返すために本屋さんは、

480円 ÷ 120円 = 4冊

同じ600円の単行本を4冊も売らないとなりません。利益分まで取り戻そうとすると5冊も売らないといけないのです。1冊でも万引されたら大損害なわけです。

■ラーメンの原価は安い!?

ラーメンの原価は、ラーメンの種類によっても違いますが一説には「価格の30%程度」といわれます。この原価率は高騰を続けているそうです。筆者が実際にラーメン屋さんに取材したところ、「昔はラーメンの原価といえば100円を超えていなくても普通だった」という答えがありました。

しかし、ラーメン屋商売が過当競争になり、味の追求が行われた結果、その原価は上昇し、前述のような数字が一般的ではないかというのです。やはり、おいしさと原価率のバランスをうまく取らなければならないのでしょう。

「出来合いのスープを購入して作るのであればともかく、例えばトンコツスープを一から作るのであればガス代などは大きな負担になる」のだそうです。

■薬品の原価は高いのか!?

「薬九層倍」という言い方があります。これは薬の売値が高価で、原価の9倍もするという例えで、「ボロもうけ」な商売を形容する際に使われます。さて、薬の販売は本当にボロもうけなのでしょうか。

実際に製薬会社の人に取材を申し込むと「原価率に関することは社外秘」という回答が一律に返ってきます。まあ当然ですね。しかし、わずか数十グラムのものが数千円という売価なわけで、それだけ考えれば「薬九層倍」という言葉もあながちうそではないのではないかと思われます。

ただ、一般的に、薬の売値には、認可を得て販売にこぎ着けるまでの研究・開発コスト、営業マンの人件費などのランニングコストなどが計上されます。これらの経費をペイさせるためには、価格も高価にならざるを得ない、というのがよくいわれることではあります。

一方で「ジェネリック医薬品」というものがあります。これは特許期間の切れた薬を、薬効成分そのままに製造販売するもので、特許代金を支払わなくていいので安価に出せるというものです。

薬剤師さんに聞いてみたところ、「ジェネリック医薬品」はけっこううまみがあるらしく、特許切れになると一斉に数社、多いときは20社近くからジェネリック薬が発売されるそうです。研究・開発コストが掛かっていない分利幅も大きいので、こういった事態になるのでしょう。薬剤師さんも薬の名前を覚えるのが大変なのだそうです。


(高橋モータース@dcp)