『意外と知らない

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参院選の前哨戦といわれた東京都会議員選挙。自民、公明両党が全員当選という圧勝ぶりを見せつけたが、日本の首都はこれからどう変わるのか。破壊と建設を繰り返し、膨張を続けてきた大都市・東京。この機会に、その歴史と未来を探り、素顔を再発見するとともに住みやすい街づくりを考える。

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歌舞伎興行がないのに歌舞伎町とは

『意外と知らない"首都"の歴史を読み解く!東京「地理・地名・地図」の謎』

いわれてみれば、なるほどそうだ。歌舞伎の興行もないのに、なぜ、新宿に「歌舞伎町」があるのか。人気漫画の派出所の舞台は、もともと「亀なし」だった、といわれれば、えっ、ホント?と言いたくなる。地名というものは、ことほど左様にさまざま由来を持ち、意外な事実を教えてくれる。実業之日本社の新書『意外と知らない"首都"の歴史を読み解く!東京「地理・地名・地図」の謎』(谷川彰英、800円)は、地理や地名、地図から見える東京の意外なエピソードを集めた知的ガイドブックだ。

そもそも、徳川家康はなぜ江戸に幕府を開いたのか。江戸前とはどこからどこまでか。下町と山の手の境界線は――。いまにつながる歴史を知ればいっそう興味が深まり、親しみが増す。

大都会の東京にもムラが必要なわけ

『新・ムラ論TOKYO』

「ムラ」とカタカナで書くのだから、漢字の「村」ではない。集英社新書の『新・ムラ論TOKYO』(著・隈研吾、清野由美、798円)のいうムラとは、人々が安心して生活できる共同体のありかであり、多様な生き方と選択肢のよりどころとなる場所のことだ。だから、都会にも存在するし、むしろ存在すべきという。

同じ2人の著者による『新・都市論TOKYO』(集英社新書)では、汐留、丸の内、六本木ヒルズなど大規模開発の現場を歩いた。林立する高層ビル群は人々に住みやすさと安心を提供できたのだろうか。2人が見て取ったのは、むしろ都市の限界だった。本書では、下北沢、高円寺、秋葉原、そして長野県の小布施を取り上げ、ムラの可能性を探る。東日本大震災を経験した後だけにムラ再発見が意味するところは深い。

50年ぶり30番目の新駅の夢

『山手線に新駅ができる本当の理由』

昔から歌に歌われ、ドラマの舞台になった駅。新駅誕生のニュースは、鉄道ファンならずとも多くの人の夢をかき立てる。まして50年ぶり、それも東京の山手線だ。JR東日本山手線の品川―田町駅間に2020年をめどに開業が予定されている。メディアファクトリー新書の『山手線に新駅ができる本当の理由』(著・市川宏雄、777円)は、新駅構想の背景や経済効果を日本再生の視点から詳しく解説する。

山手線の新駅は西日暮里以来30番目で、ネットでは早くも駅名予想で盛り上がったりしたが、ポイントは駅だけにあるのはない。新駅を拠点にした品川周辺地域の再開発が東京の、そして日本の活性化の切り札になると説く。都心の一等地の大規模プロジェクト、今度は何をもたらしてくれるだろうか。