[其ノ三 投信実践編]リスクを抑えて効果的なリターンを狙う投信が人気
800以上の社債に分散投資してリスクを抑えながらも、10%に近いリターンを叩き出しているファンドがあります。


対象はハイイールド債券、運用は米国の企業業績に連動

「高利回り社債オープン」は米国のハイイールド債券を投資対象とする毎月分配型の商品です。2004年11月に為替ヘッジのない「高利回り社債オープン(毎月分配型)」が設定され、お客さまの要望により2005年2月に為替ヘッジのある「高利回り社債オープン・為替ヘッジ(毎月分配型)」が設定されました。

高利回り社債とは格付けがBB格以下(投機的格付け)の債券です。高格付け債に比べると信用力が低いため、金利を上乗せしなければならず、利回りは相対的に高くなっています。

米国債券の利回りを格付け別に見ると、国債1・9%、AAA格債券2・0%に対し、BB格4・4%、B格5・6%というようにかなり高くなっています(2013年3月末現在)。また格付けの低い社債の価格は株式同様、企業業績によるところも大きいので、景気が上向いて業績が向上すれば格付けの高い債券よりも値上がりが期待できます。

一方、格付けが低いとデフォルトが心配になりますが、高利回り資産に特化した運用で実績のある野村グループの投資顧問会社・NCRAM社(本拠地ニューヨーク)が社債の選定やポートフォリオの組み入れ比率を調整して、リスクを抑えた運用を行なっています。同時に812(2013年3月末現在)もの社債に分散投資しており、万が一いくつかの社債がデフォルトしても大きな影響を受けない仕組みになっています。

昨年から資金流入が目立っているのは「為替ヘッジあり」のほうです。円安局面であっても順調に基準価額が上昇しており、その安定した値動きがお客様に安心感を与えているようです。「為替ヘッジなし」に比べて円安の恩恵をあまり享受できないのに上昇しているのは、高い利回りによる基準価額の下支え効果があるからです。

分配金は「ヘッジなし」が直近1年間は毎月60円、「ヘッジあり」が毎月80円です。期間収益率(4月5日現在)は「ヘッジあり」が設定来66・9%、「ヘッジなし」が55・9%に達しています。

為替ヘッジをかけるとヘッジコストが短期金利差分だけかかるので収益面では不利といわれていますが、米国の金利が長い期間低水準で続いていることから日米金利差が縮小しており、コストを抑えることができています。

そこでこの先も円安が続くという見通しの方は「ヘッジなし」を選んで高利回りと円安の恩恵を、為替リスクを避けたいという方は「ヘッジあり」を選んで高利回りと安心感を得ることを考えてみてはいかがでしょう。



村山治子(HARUKO MURAYAMA)
野村アセットマネジメント金融法人マーケティング部 シニアマネージャー

1997年野村證券投資信託委託(現・野村アセットマネジメント)入社。営業部門にて、投資信託の資料作成、バックオフィス、販売会社対応などを経験し、2012年7月より現職。



この記事は「WEBネットマネー2013年7月号」に掲載されたものです。