『さよなら渓谷』の初日に登壇した真木よう子

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「悪人」の吉田修一の同名小説の映画化『さよなら渓谷』の初日舞台挨拶が、6月22日に有楽町スバル座で開催され、真木よう子、大西信満、鈴木杏、鶴田真由、大森立嗣監督が登壇。『ベロニカは死ぬことにした』(06)以来、7年ぶりに単独主演を務めた真木は「昨日はドキドキして本当に眠れなかったです」と挨拶。最後にサプライズ演出もあり、ゲスト陣は感無量の様子だった。

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真木は、ヒロイン役について「自分では役が抜けたと思っていたけど、こんなに時間が経っているのに、取材を受けると、昨日のことのように思い出せます。それくらい、染み付いていたし、役になっていたんだなと、今になって思います」と熱く語った。大西も「役をやるのは人生を生きるということ。僕も、去年の夏から秋にかけて、この作品に関わっていたことは鮮明に覚えています」と、真摯な表情を見せた。

最後に、サプライズとして、原作者の吉田修一が真木たちに送った感謝の手紙がMCにより読まれた。本作は、6月20日に開幕した第35回モスクワ映画祭のコンペティション部門で、唯一出品された日本映画だが、吉田はそのことについて、「期待以上の形で大きな夢を叶えてくれました」と、大森監督への感謝の気持ちを述べた。その後、大西や真木へのあふれる思いも読まれていったが、中でも「今回、真木よう子という女優に出会えて、本当に良かったと思っています」という彼女の熱演を称える言葉は、とても印象的だった。

その手紙を受けて「やられました」と口を揃えたゲスト陣。真木は「撮影の時は、周りの方々に『頑張れ!大丈夫だ』って言ってもらうだけで乗り越えてきたので、今、吉田さんに『ありがとうございました』と言っていただけたことは、この上ない幸せです」と喜びを語った。

『さよなら渓谷』は、ある残酷な事件の被害者と加害者の複雑な思いが絡み合う濃厚な人間ドラマ。モスクワ映画祭へは、真木、大西、大森監督も渡航する予定だ。【取材・文/山崎伸子】