kolor流 ハッピー・ハワイアン<2014年春夏メンズレポート>

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 伊フィレンツェで開催中のメンズプレタポルテの見本市「第84回 Pitti Immagine Uomo(ピッティ・イマージネ・ウオモ)」のメンズウェア・ゲストに選ばれた「kolor(カラー)」が6月20日、2014春夏メンズコレクションを発表した。ショー会場は、ピッティ・イマージネ・ウオモのメイン会場からバスで約10分。市内に数多ある歴史的な建造物ではなく、ちょっと鄙びた雰囲気のフットサル場を会場に選ぶセンスがいかにも「kolor」らしい。(ファッションジャーナリスト/増田海治郎)

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 客席と向かい合う旧い石壁に、プロジェクターで映像を投影する演出でショーはスタート。ファーストルックは、プレーンな白シャツとネイビーのスラックスに、白地にオレンジのハワイアンプリントのコートを羽織ったスタイル。「ハワイとカラー」という意外性のある組み合わせが興味を引いた。

 事前に行われた記者会見で、阿部潤一は「カラーはコンセプトやテーマを作ることはしていないが、今回はフィレンツェを訪れた時に感じた "ハッピー"なニュアンスを取り入れたかった」と話している。その幸せ感の象徴として選んだモチーフがアロハ柄で、「自分では興味がなかったものを、着たいと思えるように作った」という。そのちょっと捻くれた思考から生まれたのが、フィレンツェの歴史ある石壁にアロハ柄が遺跡のようにプリントされたジャケットや、シャドーストライプ状の花柄の上に光沢のある素材を配したアロハシャツ、ジャケットとアロハ柄のショートパンツの境目を曖昧にしたトロンプイユのアイテム。取り入れるだけでハワイ風になりがちな強いモチーフを巧みに編集して、カラー流に昇華させている。

 アイテム自体はカラーの代名詞的なものが中心で、緻密に計算された縮率によるパッカリングのジャケット、薄手のボーダーニットのアンサンブル、ハリ感とシワ感のあるAラインコートなどを並べた。ボトムはクロップド丈のペグトップや、スウェットパンツ風、ショーツなどリラックス感のあるシルエットが中心で、素材はドレッシーなウールが目立つ。今回も小物使いが冴え、フェミニンな雰囲気のおむすび型のバッグや民族調の装飾が施されたサンダルが目を引いた。

 ピッティ・イマージネ・ウオモといえばクラシコイタリアの総本山的な見本市だが、近年は過剰な色使い、色気の追求で本質を失っているブランドが多いように思える。そんな色気の過剰接待に疲れた身には、分かりやすくはないけれど、服の内側から滲み出てくるような「kolor」の品格、色気がとても好ましく思えた。連日続いたフィレンツェの猛暑を和らげてくれる、日本のアイスキャンディ(ジェラートではない)のようなショーだった。(ファッションジャーナリスト/増田海治郎)

■kolor 2014年春夏コレクション 全ルック
 http://www.fashionsnap.com/collection/kolor/mens/2014ss/