米量的緩和策の縮小・終了シナリオについて

写真拡大

米FRB(連邦準備制度理事会)は、18〜19日に開催したFOMC(連邦公開市場委員会)で、毎月850億米ドルの証券購入を柱とする現行の量的緩和策の継続を決定しました。ただし、バーナンキ議長は同会合後の会見で、「あらかじめ定められた計画がある訳ではない」と強調した上で、米国の経済動向が今後、FRBの見通しに沿って推移する場合、「年内に証券購入ペースを緩め始め」「2014年前半を通じて購入額の削減を更に進め、年央で購入を終了させたい」と述べました。

具体的なスケジュールこそ示されなかったものの、量的緩和策の縮小・終了についてのシナリオが初めて明らかとなったことなどを受け、19日の米国市場では、10年国債利回りが前日比+0.17%ポイントの2.35%と、2012年3月以来の水準に上昇したほか、株価が下落し、ニューヨーク・ダウ工業株30種が前日比▲206米ドルの1万5,112米ドルとなりました。

また、米ドルが対主要通貨で買われ、円相場は1米ドル=96円台半ばに下落しました。なお、20日のアジアでは、主要株価指数が前日比1~3%程度の下落となっています。(日本時間13時現在)

(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)

弊社では、FRBが量的緩和策の縮小を開始するのは今年11月後半ないし12月と予想しており、その点では、今回、明らかにされたシナリオに沿ったものとなっています。ただし、証券購入の終了時期については、早ければ来年4月の可能性もあるとみています。

FRBの量的緩和策の見直しは、近年の金融政策の転換の中でも特に大きなものと考えられ、世界の市場に流れ込んでいた過剰流動性が減少するとの懸念や、これまで見られてきた投機的な動きが巻き戻されるとの見方が、市場を引き続き揺さぶる要因となる可能性があります。このため、今後も、FRBの政策姿勢を巡る憶測などを背景に、市場が動揺する可能性に備える必要はあるものの、今回、一定のシナリオが示されたことが好感される可能性も考えられます。いずれにしても、投資家の注目はやがて、経済や企業のファンダメンタルズの改善具合に戻り、それらの状況が市場を左右することになると考えられます。この点で、今回、FRBが米国景気の先行きに対して自信を高めている様子が示されたのは明るい要因です。忘れてはならないのは、米国の量的緩和策は、2008年9月のリーマン・ショック以降に導入された、非伝統的な金融政策、つまり、”非常手段”であり、その縮小・終了は、同国の経済・金融状況の改善を反映した、金融政策の正常化の道のりを進むことだという点です。

(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)

(2013年6月20日 日興アセットマネジメント作成)

●日興アセットマネジメントが提供する、国内外での大きなイベント発生時の臨時レポート「フォローアップ・メモ」からの転載です。→「フォローアップ・メモ」