[其ノ二 FX 投資戦略編]豪ドル/円の買い 年初来のトレンドが続く。豪ドルは押し目買い!
日銀の「異次元緩和」で円安に弾みがついたが、米ドル/円は100円を前にブレーキ。さて…。


米ドルは買い。ユーロは売り。豪ドルは押し目買い!

主要5通貨は当面、年初来のトレンドが続きそうです。

?米ドルは米国景気の相対的な強さと量的緩和解除観測が下支え。?円は日銀の「異次元緩和」を背景に下落基調。?ユーロとポンドは時折反発するものの、景気の弱さと金融緩和見通しから上値が重い。?豪ドルは国内インフレ圧力の弱さと中国景気のもたつきから売り圧力がある一方、世界株価との連動性が高く、米国を中心とする世界的な株価上昇傾向に支えられ結果的に方向感が出にくくレンジ相場―というもの。

このため、今後もこれまでの前提が変わらないとすると、米ドルを買い、ユーロ、ポンド、円を売るというのが理にかなった戦略です。



豪ドルは特に対米ドルでは1・02〜1・06ドルの間のレンジ相場なので中立ですが、高金利ということもあり米ドルと同様に買う通貨に含めてもいいかもしれません。

ただし、タイミング的に豪ドルが対米ドルでレンジ内であってもレンジ下限である1・02ドル近辺に来ているときに対円で豪ドルの買いポジションをつくると、米ドル/円よりも高い上昇率を実現できる可能性が高まります。

逆に、豪ドルの対ドル相場が1・06ドル近辺にある場合には、豪ドルは対円で買うタイミングではなく、むしろ対米ドルでショート(売り)するべきでしょう。

豪ドルをめぐるリスクは当局の豪ドル高牽制発言と利下げです。5月7日にRBA(豪州準備銀行)は利下げを行ない、声明文でも豪ドル高懸念が示されているなど、6月以降も追加利下げや口先介入で豪ドルが一時的に下落する局面もあるかもしれません。

ただし、5月の利下げのあとに発表された豪雇用統計が良好だったことから豪ドルは反発し、対ドルで1・02ドルのレンジ下限をなんとか維持。また、豪ドルは対円で2007年の高値に迫る水準に来ていますが、貿易相手国として重要な中国やニュージーランドに対しては豪ドル高とはいえない水準にあり、RBAも豪ドル押し下げを目的に大幅な追加利下げを行なうとは考えにくいでしょう。



【今月の先読み軍師】
山本雅文(MASAFUMI YAMAMOTO)
FXストラテジスト

日本銀行で10年にわたり重要な為替取引や調査に従事した後、日興シティグループやバークレイズ銀行でチーフFXストラテジストを務めた。



この記事は「WEBネットマネー2013年7月号」に掲載されたものです。