日経平均株価は、5月に1万5000円を超えたものの、その後、暴落が止まらない。「暗黒の木曜日」(5月23日)のわずか1日で日経平均株価は1143円も暴落し、東証の時価総額ざっと30兆円が吹っ飛んだ。証券投資分析の専門家、玉川大学教授の島義夫氏が語る。

「株式の売買データを見ると、東京市場の乱高下で外国人投資家と投機筋が利益を上げ、日本人の個人投資家は損をしたという傾向がある。外人投資家は昨年10月までは売り越しだったが、その後は大きく買い越し。株価8000円台から買っているから、株価暴落の5月末に売っても1.5倍以上の大儲けです。暴落や乱高下でも稼いでいる。

 売買手口を見ると、市場が閉まる午後3時からの15分間は先物だけは取引できるが、そのタイミングで大きな売りが出て、翌日は下がった先物から売買が始まり、値を下げる。相場操縦まがいの手口で、海外の機関投資家がやっていると見ていい。そうやって株価を急落させて荒稼ぎしたわけです」

 そこにカモが来た。日本の個人投資家が本格的に参入したのは今年3月以降、株価が1万2000円台に乗せてからだ。

「日本の個人は株を直接買わずに投資信託から入る傾向が強い。3〜5月には投資信託がもの凄く売れた。新規の個人投資家はその頃に株を買い始めているから、高値で買って利益は出ていない」(島氏)

 高値をつかまされた日本の投資家は、暴落で大損失。外国人投資家は高値で売り抜け、暴落でも先物で荒稼ぎしたという分析である。名うての外人投機筋は5月の乱高下で1人で10億ドルを稼いだともいわれ、黒田バズーカはヘッジファンドのマネーゲームにまんまと利用されたのだ。

※週刊ポスト2013年6月28日号