【シンガポール編】ジャケットがいらないシンガポールのクールビズ

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海外駐在員ライフ

【シンガポール編】ジャケットがいらないシンガポールのクールビズ

Reported by ちょんばるくいな
シンガポールの日系企業現地法人に勤務。休日には、フィットネスやサイクリング、スイミング、映画鑑賞、音楽鑑賞など、多彩な趣味を楽しんでいる。

■ 見習いたい「ワーク・ライフ・バランス」

はじめまして。ちょんばるくいなです。シンガポールにある日系企業の現地法人に勤務しています。

 

仕事では原則、英語を使用することになっていますが、同僚や取引先には日本人が多く、日本人が多い会議などになると、日本語になってしまうことも多々あります。シンガポールの人口の約7割強が中華系のため、職場にも中華系のスタッフが多いこともあり、現地スタッフ間では、中国語が飛び交うことも。中国語ができるとやりやすいだろうなと思い、CDの教材を聴くなどして勉強中です。

 

シンガポールでは、日本人スタッフ以外は、よほどのことがない限り残業しません。9時始業、18時終業の定時通りに出退社するのが普通です。就業時間内に仕事を終わらせることができなかった場合も、ルーティンワークであれば翌日に回しているようです。どこまで仕事を任されているかにもよりますが、プロジェクトがらみで締め切りの時間が迫っているような業務については、残業することもあります。とはいえ、「仕事が終わらなければ残業して当然」という日本式の感覚は、決して彼らには理解されません。ある意味、シンガポールの人々のやり方のほうが、仕事とプライベートを明確に切り分ける「ワーク・ライフ・バランス」が取れているのだなと感じます。

 

また、シンガポールでは女性の働く割合が極めて高いように感じます。私の周りを見わたしても、オフィスの半数以上が女性スタッフ。街中のオフィスにおいても日本より女性の割合が高いようです。シンガポールでは車や住居、ローカルフード以外での外食の費用等、全般的な生活コストが高く、生活水準を維持する観点から、結婚・出産後も働き続ける女性が極めて多いようです。

 

■ ネクタイを締めればフォーマルスタイルのできあがり

シンガポールのビジネススタイルで特徴的なのは、服装です。シンガポールは一年中暑いので、まずこちらの人は、ビジネスの場でジャケットを着る人はほとんどいません。ワイシャツにチノパンツで、すでにビジネス仕様なのです。さらにネクタイを締めれば、それだけで「フォーマル・スタイル」として通用します。日本の「クール・ビズ」では、顧客と面談するときにはノーネクタイにジャケットというスタイルが一般的なのとは対照的です。建物の中はエアコンが効いていて寒いぐらいなので、むしろ室内にいるときのために、ジャケットやカーディガンといったすぐに羽織れる服を用意している人が多いですね。

 

ただし、私たち日本人スタッフは、どうしても日本の「クール・ビズ」をひきずってしまいがち。社外の顧客を訪問するときはジャケットにネクタイが基本ですし、訪問を受ける立場のときも、相手が日本人であれば、まずジャケットなしでは臨みません。街中でジャケットを着ているビジネスパーソンならば、欧米系の金融機関勤務の人たちを除けば「あの人、たぶん日本人だな」とおおよその見分けがつくほどです。現地の人たちには、少し奇異な印象を与えているのかもしれません。

 

こちらで仕事をする上で気をつけているのは、コミュニケーションの取り方。現地スタッフとは、極力、本人と直接会って、顔を見ながら話すようにしています。特に、英語でのやりとりでは、とかくコミュニケーションのギャップが生じがちなので、相手の顔を見て話すのがベストなのです。それが無理でも、せめて相手の声色を聞きながら話したいもの。同じオフィスなら直接、相手のところに出向きますし、それが無理なら電話をします。最後の手段がeメールです。離れた場所にいる相手とは、テレビ会議をすることもありますね。

 

シンガポールの人々は、内気であまり自己主張をしない一方で、とてもプライドが高い傾向があります。また、「これは命令だから」とトップダウンのやり方で一方的に指示されることも好みません。その上、会議の場で率先して発言するような人も限られるため、わかりあうためには、一対一の「スモール・ミーティング」が必要です。事前に相手の言い分を引き出した上で、すり合わせや根回しを済ませておくわけです。言語や文化の異なる相手と意思の疎通を図るためには、このくらいの努力は当然のこと。シンガポールに限らず、海外で仕事をするなら、どこにいても必要なことなのではないかと思います。

 

次回は、シンガポールの文化についてお話しします。

 

頭がライオンで身体が魚という「マーライオン」は、シンガポールのシンボルともいえる存在だ。

 

市内のほぼ全域をカバーしているシンガポールのバス路線。

 

シンガポール名物のチキンライス。鶏のスープで炊いた米に蒸し鶏(あるいはゆでた鶏肉)が添えてある。

 

「メイグ・ポロ」というエビの炊き込みご飯。シンガポールでは、こうしたペルシャ料理も味わうことができる。

 

ユニークな建物が目を引くショッピングモール「イオン・オーチャード」。

 

構成/日笠由紀