トルコの状況および通貨リラの下落について

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反政府デモの拡大を背景に、トルコ情勢が揺れています。5月31日の警官隊とデモ隊の衝突から既に2週間以上経ちますが、抗議の動きは収まる気配をみせず、6月中旬のデモ隊の強制排除をきっかけに、エルドアン首相に対するデモ隊側の反発はさらに強くなっています。

今後、デモが長期化した場合、混乱を嫌気して、海外からの資金流入が減少する可能性が考えられます。同国が抱える問題である慢性的な経常赤字を、海外からの資金流入が補っている側面があることから、同国への資金流入が減少することで、通貨の下落圧力が増大するリスクがあることには注意が必要です。

一方で、トルコへの資金流入を今後も下支えするとみられるのが、国債の信用格付の引き上げです。ムーディーズ社による5月の格上げによって、同国の自国通貨建て長期債務は主要格付会社の全てで「投資適格」とされており、今後、海外投資家による投資が活発化していくものと考えられます。ムーディーズ社の格上げの理由は、同国の経済、および財政に構造的な改善が見られたことが挙げられています。同国における、財政赤字はIMFによる2013年予想でGDP比2.2%にとどまるほか、公的債務残高も同GDP比約35%と、政府の財政は健全な状態にあるとみられます。反政府デモがどのように収拾されるのかについては注視する必要がありますが、相対的な高金利なども相俟って、投資家のトルコ国債を選好する動きは続くものと考えられます。

なお、デモが続く中、同国の通貨リラ(対円)は5月30日から6月17日までで▲6.16%と、大幅下落となりました。ただし、バーナンキFRB議長の発言などをきっかけに、為替市場では5月23日頃に急速に円高・米ドル安が進行したことに加え、その間、他の新興国通貨も総じて下落していることから、デモの影響だけで下落しているわけではないようです。反政府デモの行方とともに、今後は円・米ドル相場の動きにも注目が集まります。

(※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)

(2013年6月18日 日興アセットマネジメント作成)

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