[其ノ一 株テクニカル編]好パフォーマンス投信の牽引銘柄をコバンザメ買い
アベノミクス効果は日本株だけではなく投信にも。最近は投資家の資金が流入しすぎて販売停止続出です。


人気中小型ファンドが買う新興不動産株、ノンバンク株が◎

日本株の上昇が続いていますが、盛り上がっているのは個別株だけではなく、国内の株式投信にも個人マネーが大量に流入しています。投資信託協会の発表によると、3月末時点の資産残高は72兆円超まで増加。リーマン・ショック前の2008年7月以来、4年8カ月ぶりの水準です。

特に話題なのが、JPモルガン・アセット・マネジメントが運用する「JPMザ・ジャパン」でしょう。資金が集まりすぎたため、3月に信託金の限度額を1000億円から2000億円へ引き上げ、4月1日から受け付けを再開しました。しかし基準価額の上昇ぶりがニュースになってさらに資金が流入し、4月5日には再度停止を発表。ちなみに5月9日現在の基準価額は4万9009円です。

実は、売り切れとなっている日本株投信は「JPMザ・ジャパン」だけではありません。DIAMアセットマネジメントが運用する「新興市場日本株ファンド」も、販売を3月6日から停止。日本の家計が持つ金融資産は約1500兆円ですが、その55%が現預金で、投信は4%です。アベノミクス効果で日本株への関心が高まる中、プロに運用を任せる日本株投信に今後も大量のマネーが流入する可能性は高いでしょう。

では、プロはどのような銘柄を株式投信に組み入れて、高パフォーマンスを叩き出しているのでしょうか。

たとえば「JPMザ・ジャパン」の直近の組み入れ上位銘柄は、ナノキャリアやJトラスト、新生銀行、アイフル、レーサムなどです。バイオや新興不動産、ノンバンクなどが中心ですね。「新興市場日本株ファンド」はサムティや三井倉庫、デジタルガレージ、スパークス・グループ、ヤフーなどです。

下の表に挙げたのは、直近の半年間で高パフォーマンスを叩き出したいくつかの投信の上位に組み入れられている銘柄です。やはり、「アベノミクス」効果を大きく受ける新興不動産やノンバンク株が目立ちます。注目は、各ファンドともナノキャリアなど、バイオ関連株を投資対象としている点。

人気の投信の基準価額が上がるから個人投資家が買う、個人投資家が買うから投信の組み入れ銘柄に資金が流入し、さらに上がる――。この好循環が続くことに期待ですね!





※株価は2013年5月9日現在。東マ=東証マザーズ、JQ=ジャスダック。

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小川佳紀(YOSHINORI OGAWA)
フィスコ 株式アナリスト

岡三証券を経て現職。相場概況から注目株まで、日本株全般から本誌に合ったネタを拾ってくれる貴重な存在。



この記事は「WEBネットマネー2013年7月号」に掲載されたものです。