怒りっぽくなったのは脳の老化のせい? 自分でできる脳のエイジングケア

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「最近、部下のちょっとしたミスにもカッときて、声を荒げてしまうように。課長の自分が残業続きで、家で食事もとれないほど頑張っているのに……って思うと、ついつい。子供の他愛無いイタズラにも、真剣に怒鳴ってしまって後悔しきり。数年前までは穏やかな性格だったのに。更に年をとると、ますます怒りっぽくなるのでは?と不安になる……」

このように、40代は加齢の兆候が現れやすい年代。残業続きの外食続きで、休日はひたすら寝るだけ、という人も多いかもしれない。常にイライラしていたり、逆に穏やか過ぎて無気力になったりする人もいるようだ。

こうした状況が思い当たる人は、脳の動脈硬化が始まっているかもしれない。脳は膨大なエネルギーを必要とする器官。エネルギーである酸素とブドウ糖を運ぶのは血管であるが、加齢や生活習慣により血管が硬く細くなると、エネルギーが十分に運べなくなる。すると、脳そのものは健康なのに、脳細胞の働きが弱くなってしまう。

脳細胞の活動が弱くなるエリアによって、性格の変わり方に違いが出ると考えられている。側頭葉の内側にある扁桃(へんとう)核の部分は「イライラしやすい」「怒りっぽい」などの感情面に、前頭葉の下面は「意欲」や「規律正しさ」に関与している。人間として大切な「倫理観」は、前頭葉や側頭葉が関係しているなど、脳の働く部位によって、人の性格も左右されると言える。

60歳でおよそ30%の人が、脳に小さな梗塞ができているという報告もある。脳の狭い範囲に梗塞が起きたり、小さな梗塞がいくつか生じたりすると、もの忘れが起きやすくなる。「鍵をかけ忘れる」「火を消し忘れる」「迷子」の3つの行動が典型的だ。いつまでもイキイキとした脳でいるためには、60歳がひとつの分岐点と言える。40代の内から脳血管を柔軟にしておくことが大切だ。

対策として、魚の脂に多く含まれている不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)を積極的にとることを心がけたい。どちらも必須脂肪酸と呼ばれ、高齢者では体内でほとんど合成されないため、食事で摂取することが必要となる。

DHAは脳神経を活性化し、EPAは血小板凝集抑制効果が高いので、血管を詰まりにくくする。特にEPAは、摂取後に体内でDHAに変換されるため、重要な成分と言える。EPAを多く含む食材は、真イワシ、本マグロ、サバ、マダイ、ブリ、サンマなど。DHAを多く含む食材も、EPAとほぼ同じだ。

脳の働きを若返らせる成分として注目されているのがアラキドン酸だ。脳の神経細胞を始めとする細胞膜の構成成分のひとつであり、ホルモンの合成原料のひとつである。そして、加齢とともに減少してしまう必須脂肪酸でもある。アラキドン酸を多く含む食材は、豚レバー、牛レバー、鶏ハツ、豚バラ肉、鶏もも肉、卵(卵黄)。レバーが苦手な人は、牛肉でも摂取できる。その場合、牛肉は1日80gが目安。摂取は少量でも十分だ。

運動と質の良い睡眠も、若々しい脳の意地に作用する。日常での運動は散歩がオススメ。道の障害物のチェックや、街の音や匂いによる情報、足の感覚など、五感をフル稼働させるからだ。昼休み、会社から少し距離のあるカフェに行き、散歩してみるといいかもしれない。また、質の良い眠りは、レム睡眠とノンレム睡眠のリズムが大事。そのリズムを崩さないためにも、昼寝は極力避けたい。昼寝するとしても30分以内で起きるようにしよう。

元々怒りっぽい人は、怒りを感じる脳細胞が弱ると更に怒りっぽくなることがある。そそっかしい人は一層そそっかしくなることも。そうならないためにも、30代や40代のうちから、自分の行動をコントロールするクセを身につけよう。

1日の終わりに、自分の行動を書き出してみる。「このような行動をとったから、残念な結果になっちゃったんだな」ということが分かれば、そうならないためにどんな行動をとればよかったのか?損をしない選択はどっちだったのか?を考えることができる。これは、決して自分を責めるためではなく、考え方を前向きにする方法。繰り返す内に、性格は変わらなくても気持ちや行動に変化が現れる。

これは、医学用語で「認知行動療法」に当たるものだ。それが将来、脳細胞の働きが低下することにより、自分の弱点が強調されることを防ぐ手立てになる。もちろん、現在の人間関係や職場環境の改善にも役立てることもできる。

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