他人の財布の中身より、他人が享受している役得のほうがより人の琴線に触れることがある。役得といえば官僚が代表だが、民間にもそれぞれの業界に特徴的な“オイシイ思い”がある。ここでは、大病院の医者の場合を見てみよう。

 大学病院や大きな病院の医者は製薬会社、医療機器メーカーから接待されることが多く、特に製薬会社からの接待は額が大きい。

「今は製薬会社が世間の目を気にして接待自粛の形を取っていますが、それはあくまでも表向きにすぎません」(病院関係者)

 今のやり方はこうだ──製薬会社が料亭などを予約する。表向きはそこで製薬会社の社内会議が開かれることになっているが、社員は1人も来ずに、実際に飲食するのは医者。2次会のクラブやキャバクラも製薬会社が予約し、後日請求書は製薬会社に送られる。

 さらに料亭の女将やクラブの担当ホステスを通して1人当たり10万〜100万円の“お車代”が渡される。

「大学病院の教授は最高ランクで、総額で1回100万円程度の接待を年に10回ぐらい受ける人もいる。若い医者は製薬会社の発行する冊子などに論文を書き、原稿料という体裁で高額の謝礼をもらうことが多い」(病院関係者)

 最近は健康食品業界からの接待が増えている。 さらに患者からの「心付け」も、病院が禁止していても慣行として残っており、大きな手術となれば数十万円を包む患者もいるという。

※SAPIO2013年7月号