「2030年代に原発稼働ゼロ」記載を見送り--”安倍色”前面『エネルギー白書』

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政府は14日、2013年版「エネルギー白書」(エネルギーに関する年次報告)を閣議決定した。それによると、前の民主党政権が掲げた「2030年代に原発稼働ゼロ」方針に関する記載は見送られたことがわかった。

今回の白書は、2012年8月〜2013年3月末頃までの状況について、経済産業省資源エネルギー庁がまとめている。

エネルギー政策の見直しに関する章では、民主党政権が決定した「2030年代に原発稼働ゼロを可能とする」方針や、2012年夏に行われた世論調査で同方針を支持する意見が多かったことなどは盛り込まれなかった。

一方、安倍総理大臣が同方針を「具体的な根拠を伴わないものであり、これまで国のエネルギー政策に対して協力してきた原発立地自治体、国際社会や産業界、ひいては国民に対して不安や不信を与えた」と批判した答弁を記載した。

原発の再稼働については、「3年程度で既存原発の行く末を見極めながら、10年以内に新しい安定したエネルギーミックスに移行させていく」との考えを紹介したほか、原発の新設については、「腰を据えて検討する」との答弁を記した。

前政権のエネルギー・環境戦略に関しては、安倍総理の「ゼロベースで見直す」とした言葉を明記。どのような状況でも国民生活や経済活動に支障がないよう、「エネルギー需給の安定に万全を期すことが大前提」だとし、エネルギーの安定供給やコスト低減の観点も含め、「責任あるエネルギー政策」を構築していく必要があるとした。白書は、年内をめどに新たなエネルギー基本計画を取りまとめていくとしている。

一方、世界のエネルギー状況については、「北米におけるシェールガスの生産が世界へ大きな影響を与えている」と指摘。政府は、天然ガスの安定かつ安価な調達に向けて、シェールガスの生産拡大で価格が低下している北米からのLNG輸入、日本企業の資源開発への参画支援を通じた供給源の多角化、LNG消費国間の連携強化などによる買主側の交渉力強化に取り組むとしている。

再生可能エネルギーについては、導入拡大が進めば賦課金の負担も増加することから、負担が過剰にならないよう、調達価格の適切な見直しを行っていく必要があると提言。このうち地熱発電については、国立・国定公園内の地域を含め、日本全国の10数地点以上で開発または検討中だと紹介している。