日本の公的年金、国内株式・外国債券・外国株式への投資比率引き上げへ

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日本で、約112兆円(2012年12月末)の公的年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が、6月7日に運用の目安とする資産の基本構成比率を変更したと発表しました。具体的には、国内債券の比率を67%から60%に引き下げ、国内株式の比率を11%から12%に、外国債券を8%から11%に、外国株式を9%から12%に引き上げました。比較的、低リスク低利回りの国内債券への投資比率を引き下げ、株式や海外資産などリスク資産への投資比率を引き上げることで運用利回りの向上をめざすものとみられます。

今回の変更後の基本構成比率は、2012年後半の国内の株高・円安の影響を受けた2012年12月末時点の実際の構成比率に近いため、基本構成比率の変更に伴なう株式・債券の売買は限定的であり、市場へ大きな影響はないとみられています。一方で、長期的にはこれまでよりもリスク資産への投資比率を高めることが可能となりました。また、GPIFがリスク資産への投資比率を引き上げたことを受け、他の年金運用機関の運用資産の見直しにも影響すると考えられます。

なお、政府は7月からGPIFに関する有識者会議を設け、さらなる株式への投資比率の引き上げや、REITや商品先物、未公開株などにも投資先を分散させることを議論する予定です。国際的に比較すると、株式の投資比率はノルウェーなど主要10ヵ国の年金基金の平均が38%であるのに対し、GPIFは今回の変更後でも国内・外国を合わせて23%と低い水準にあることなどが背景にあるとみられます。今回の構成比率の変更では、相対的に国内株式の引き上げ幅が小さかったことから、追加的に国内株式の投資比率の引き上げが行なわれるのではないかとの観測も出ています。その資産規模から「世界最大の機関投資家」と呼ばれるGPIFの今後の動向が注目されます。

(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)

(2013年6月14日 日興アセットマネジメント作成)

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