記憶をなくしたヒロインを演じた倉科カナ

写真拡大

交通事故で記憶を失った主人公が、失われた記憶を取り戻していくことで過去と向き合う姿を倉科カナが演じる「遠くでずっとそばにいる」が、6月15日公開する。オール秋田ロケを敢行した本作で、久々の映画主演を務めた倉科が役柄への向き合い方、女優としての今後の抱負を語った。

恋愛小説家・狗飼恭子の同名小説を、「夜のピクニック」「天国はまだ遠く」の長澤雅彦監督が映画化。27歳の朔美は、交通事故で10年分の記憶を失ってしまう。17歳までの記憶で止まっている朔美は、忘れてしまった10年間の出来事が気になり、当時恋人関係だったと思われる幼なじみや、同級生らの助けを借り、失われた時間をたどっていくと、残酷な真実が待ちうけていた……。夏の秋田を舞台に、主人公の心情を美しい映像で繊細に描き出す恋愛ミステリー映画。

記憶を失い、心は17歳の高校生のまま、周囲の状況が変わった10年後を生きる朔美。倉科は等身大で、誰もが共感を覚える伸びやかな演技を見せているが、そこに行きつくまでには大きな葛藤があった。「無意識の内に主演に対する恐怖感やプレッシャーがあって、途中で泣いてしまったこともあった」と明かす。「朝ドラも含めて、これまで決められた役柄が多かったのですが、『そこにいるだけでいい、自由にしていいよ』って言われる現場は初めてだったんです。普段通りでいることさえ許されるような現場で、これでいいのだろうかと、毎日のように反省していましたが、とても勉強になりました」と、本作で究極の倉科らしさを求める長澤監督の演出方法に戸惑いながらも、正面から立ち向かった。

17歳の記憶に戻る朔美を演じるにあたって、特に若づくりは意識しなかったというが、「10年の差を感じた時のリアクションは大切にしたいと思っていたので、そこはやはり難しかったし、すごく繊細にやりたいと考えていました」と語る。劇中に出てくる「永遠の片思い」という言葉から受ける印象を問うと「つらい言葉ですね。すごく、切なさもあって。私が17、8歳だったら、なんか甘酸っぱくていいなって考えたと思うんですけど、25歳の私はちょっと……」と本音をポロリ。

昨年の「みなさん、さようなら」での好演も記憶に新しく、ドラマのみならずスクリーンでの活躍も光る倉科。趣味としての映画鑑賞も頻繁だそうで、好きな作品は「ブルーバレンタイン」「ラースと、その彼女」「SHAME」「私を離さないで」「恋する惑星」「マイ・ブルーベリー・ナイツ」。邦画では「メゾン・ド・ヒミコ」「さよならみどりちゃん」と、公開後も長く映画好きに愛されるインディペンデント系の名作を挙げる。

今後の女優としての方向性を問うと、「周りを見て人に合わせてしまう性格」と自身を分析した上で、「柔軟さも持ち合わせながらもう少し自分の意見を押し通せるような強さを持つ女優さんになりたい。強さが欲しいですね。妖艶な役やボーイッシュな役、可愛さのかけらもないような役もやってみたい」と新境地開拓に強い意欲を見せた。

「遠くでずっとそばにいる」は、6月15日から渋谷・ユーロスペースほか全国順次公開。

■関連記事
【予告編】「遠くでずっとそばにいる」
濱田岳が倉科カナ&波瑠からモテモテ! 団地が舞台の青春映画「みなさん、さようなら」
倉科カナの“ズボラ飯”食べっぷりに、フードスタイリストが感服!
倉科カナ、“答志島”生活で結婚観に変化? 平岡祐太は「まだできない」
倉科カナ、壁にぶつかったら「飽きるまで泣いて、自分で処理する」