これまで一本調子で株価上昇が続いてきたが、5月以降の市場の乱高下で、今後の物色対象も大きく変わろうとしている。ラジオNIKKEI記者・和島英樹氏が今後の注目テーマのとして注目するのは「シェール革命」だという。

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 東日本大震災以降、エネルギーの調達が日本経済の大きな課題になっている。原発の停止はもちろん、円安の進行もあって燃料の輸入コストがかさむなか、貿易赤字の要因となり、経済回復の足かせにもつながっているためだ。

 太陽光や風力、地熱などのクリーンエネルギーも原発に取って代われるような状況とはまだまだいえず、やはり原油とLNG(液化天然ガス)をいかに安く調達できるかがカギを握っている。

 そこで注目を集めているのが、米国を中心に進行している「シェール革命」だ。シェール(頁岩=けつがん)層からガスやオイルを産出することで、これまで以上に安価なエネルギーを調達することが可能になり、実際、米国企業では製造コストが下がり、競争力が上がってきているという。

 また、シェール革命の進展に伴って、従来の天然ガスや原油の価格も下がる傾向にあり、すでに世界最大の天然ガス埋蔵量を誇るロシアを脅かすほどのインパクトを持っているほどである。

 5月17日にはついに、米国エネルギー省がLNGの対日輸出解禁を発表。2017年をメドに440万トンの対日輸出を始める計画で、順次拡大される見通しだ。今後、日本でもシェール革命の恩恵を受けることができるようになる。

 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉でもエネルギー関連が一段と注目を集める可能性がある。原油を軸に中東依存が大きかった日本のエネルギー戦略が大きく変わることも予想される。

 具体的な注目銘柄のひとつが、巴工業(東証1部・6309)。同社は、化学・石油関連向けの遠心分離機に強みを持つ化学機器メーカーで、シェールオイル向けの遠心分離機が今後伸びる見通しが高まっている。

 シェールオイルを頁岩層から掘削して取り出す際には溶剤を使うが、この溶剤が高価であり、回収・再利用するために遠心分離機が使われるようになっている。分離機を使うことで精製効率も上がるという。シェール向けに営業を積極展開するため、米ヒューストンに油田用の遠心分離機の展示室を開設。短納期での販売を可能にし、収益拡大を図っている。

※マネーポスト2013年夏号